塩崎元厚労相らの研究会が提言 ゲノム情報二次利用推進へ「JHDSの迅速な構築を」 日本の後れに危機感

塩崎恭久元厚労相が会長を務めるゲノム医療推進研究会は6月28日、武見敬三厚労相に提言を手渡し、ゲノム情報の二次利用に向けて、日本版のグランドデザイン“JHDS”の迅速な構築を要請した。欧州では「EHDS」構想が実装段階に入っており、4億5000万人の健康医療データを二次利用し、創薬などにつなげる道筋がつけられている。研究会では、JHDS構築を「焦眉の急」として、検討を急ぐ必要性を強調。個人情報保護法の医療分野における特別法を含めた法整備を訴えた。塩崎会長は、「創薬力をつけるための研究開発を進めるには、情報基盤が整っていないといけない」と強調。改正次世代医療基盤法が見直される5年後まで検討が進まず、世界に立ち遅れることに懸念を示した。武見厚労相は「5年を待たずに対応する」と応じたという。塩崎会長は、「武見大臣の任期中に絶対やってほしい」と背中を押したことも明かした。「世界との格差は広がるばかりで、ゲノム医療自体に加え、そのインフラとなるデジタル関連産業においても大きく遅れをとり、国力にすら影響を与えかねないのではないか」-。提言の背景には、日本が世界に後れることに対する強烈な危機感がある。◎欧州 4億5000万人のデータ利活用、原則同意不要で可能にゲノム情報の二次利用をめぐり、欧州では今年4月に欧州議会で「EHDS(European Health Data Space)」規制案が承認されており、近く成立が見込まれる。一次・二次利用の基盤整備と利活用のルールを示した構想に基づいており、原則同意は不要で、匿名化・仮名化した4億5000万人の医療データの利活用に向けた環境整備が進んでいる。◎JHDS構築が「焦眉の急」 医療分野における特別法”を含めた必要な法整備を一方、日本では改正次世代医療基盤法を今年4月に施行した。しかし、すでに課題も顕在化している。提言では、収集するデータの少なさに加え、「個人情報符号に該当するゲノム情報・画像・音声等のデータについては、そもそも仮名加工すらできず、創薬やAI開発等に決定的な支障があるなど、研究者や企業のニーズに全く応えきれていない」と指摘する。「EHDSのように国全体としては、さらには今後間違いなく進むであろう研究等における国際連携をも先取りしたグランドデザイン(日本版JHDS)を構築し、一次利用・二次利用が格段に
情報元サイト:「ミクスOnline」
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