有限会社古閑畜産(熊本県)

食肉加工会社の3代目社長のアイデアから生まれた、新しくて馴染みやすい熊本名物「からしれんこん棒」

創業54年の食肉加工会社の3代目社長のアイデアから生まれた「新熊本名物」。熊本県の郷土料理として有名な、あのからし蓮根をスナック感覚で味わえると話題のフィンガーフードです。刻んだれんこんとからしを混ぜ、春巻きの皮で包んで揚げた、その名も「からしれんこん棒」!レンジでチンするだけで気軽に、揚げたての「カリカリ!」「パリパリ!!」食感が楽しめます。

直感的に生まれた新商品のアイデア

1968年に熊本市にて創業。以来、50年以上にわたり、地域に根ざした食肉加工業者として着実に成長を続けてきた古閑畜産。お客様の9割以上が地元の飲食店で、他にも学校給食や社員食堂などにも卸しているのだとか。取引先の数はざっと数えて400軒以上。長きにわたり信頼を勝ち得ています。

「豚肉をはじめ牛肉・鶏肉・馬肉・ホルモンなど様々な食材をミリ単位でオーダーに合わせてきっちりとお届け。夜の留守番電話で注文をいただいたとしたら、翌日すぐに配達ができます」と、同社3代目社長である大迫さんは、信頼を集める理由について語ります。実は大迫さん、アイデア豊富でチャレンジ精神も旺盛。本業の食肉加工に飽き足らず、新しい事業に挑戦することもしばしば。

「お客様である飲食店で食事をしている時に、からし蓮根をアレンジした料理が出てきて、突然ひらめきました」(大迫氏)

“もっとアレンジをしたら面白い商品ができるのではないか”と考えた大迫さん。すぐに実行に移します。

「直感的に、“自分もできる”と思いました。しかも、からし蓮根は全国的に名前が知られているので、販促もしやすいのではないかと考えましたね」(大迫氏)

郷土愛に満ちたコンセプトに協力者が集まる

当初は、卸売りの立場でスポーツイベントやお祭り、催事などの場に出店。揚げたてをその場で食べてもらおうと考えていたといいます。

「ビールを片手に、「からしれんこん棒」を持つというイメージで作ったのですが、コロナによって予定していたイベントが全て中止。そこで経験したことのない小売りに挑戦しようと、考えを切り替えました」(大迫氏)

ちょうどその頃。福岡で開催される展示会の話を耳にしました。そこに、まだパッケージも何も決まらないままの「からしれんこん棒」を持っていこうと考えたのだといいます。

「試食用に1800本ほど用意しました。もちろん自分たちで全て、手作りで用意。れんこんを洗って皮を剥いて切って、巻くところまで自分たちでやりました」(大迫氏)

全く知識も経験も無いところから展示会に持っていきましたが、その際に130社ほどと名刺交換。想像以上に反響が大きく、この「からしれんこん棒」の商品力を確信したといいます。

「そこからパッケージを作りはじめるのですが、偶然に知り合ったデザイナーさんも『からしれんこん棒』」を気に入ってくれたので快く協力してくれました。すでに熊本の名物であった『からし蓮根』を食べやすくして、もっと多くの方に食べてもらいたいというコンセプトのもと、ありがたいことに協力者が増えていきます」(大迫氏)

そこから多くの人に口コミが広がり、地元のスーパーマーケットや福岡空港、パーキングエリアなど販売チャネルが拡大していきました。

素人ならではの発想で誰からも愛される商品に

刻んだれんこんとからしを混ぜ、春巻きの皮で包んで揚げているという『からしれんこん棒』。マジックペンほどのサイズ感が手軽なスナック感覚を生んでいるようです。ビールを片手に、いくらでも食べ続けてしまいそう。

「熊本名産のからし蓮根をそのまま使っているわけではありません。スタンダードなからし蓮根は辛みが強く、好き嫌いが激しいもの。実は熊本県民の間でも、どちらかというと苦手という方も多くいました。なので、私たちの『からしれんこん棒』は誰もが食べられるように辛みを抑えながら、からし蓮根の風味をきちんと残すことにこだわっています。従来のからし蓮根が大好きという方には少し物足りないかもしれませんが、私たちが目指した“万人に好まれる味”になっている思います」(大迫氏)

使用するれんこんは、熊本県宇城市の生産者さんが丹精込めて作ったもの。徹底的に鮮度にこだわり、入荷してすぐに処理をするので、れんこんの食感もしっかりと残っています。生産者さんのおかげで理想とする値段、品質にたどり着くことに成功しています。

「春巻きの皮は、古閑畜産のスタッフが器用に一本一本、調整を行いながら手で巻いていきます。そして揚げたてを急速冷凍して出荷。ご自宅のレンジでチンするだけで揚げたての“カリカリ!” “パリパリ!!”食感が楽しめるよう工夫を重ねました」(大迫氏)

現在は、プレーンと明太子味の2種を用意。明太子味には、福岡名物やまやの明太子を使用しています。明太子とからしがケンカしないようマスタードを使い、明太子の味もしっかり出しながら、マイルドに仕上げているのだとか。

「もちろん、商品開発については素人同然でしたから、何度もトライ&エラーを繰り返しながら理想の味を追求していきました。正直言って、からし蓮根を作っている職人さんからは『物足りない』と言われることもありますが、私は福岡の展示会に持って行ったときのみなさんの反応を信じています。この商品は、通ではなく一般大衆が食べるものです。みなさんが食べやすいものを作るうえでは、もしかしたら私たちのような素人の方がいいのかもしれません」(大迫氏)

若い人にこそ食べてもらいたい新・郷土料理

「このコロナ禍の中で、今は気軽に旅行ができない状況であっても、気軽に熊本のからし蓮根を食べていただきたいという大迫さん。「熊本出身の方や熊本に来たことがある方なら、熊本の街の雰囲気や空気を思い出しながら食べていただきたい」と言います。特にからし蓮根が苦手な若者に食べてもらいたいのだとか。

「実を言うと、からし蓮根の消費者は年配の方が多く、若い方はあまり食べません。しかしこの商品であればスナック感覚で食べられます。郷土料理を気軽に食べられる、熊本の新しい名物として定着させたいと考えています」(大迫氏)

チャレンジ精神に溢れ、しかも有言実行タイプの大迫さんは、実はすでに新しいアイデアをカタチにしつつあるのだとか。

「来年は馬肉を使ったコロッケと、いきなり団子を春巻きの皮で揚げたものを作ろうと考えています。まだ試作段階ではありますが、とても美味しいので、こちらも食べてもらいたいですね」(大迫氏)

よく知られている伝統料理を春巻きの皮で巻いて揚げることで、手軽に食べられる新しい商品が生まれます。“郷土の味をスティック状にして食べやすくすることで、全国津々浦々に届けたい”。そんな思いを胸に、大迫さんは次々と新しいアイデアをカタチにしていきます。

今回ご紹介した企業
有限会社古閑畜産 (熊本県上益城郡嘉島町)

1968年創業、厳選された食肉のみを扱う地域に根差した精肉専門店。豚肉をはじめ牛肉・鶏肉・馬肉・ホルモンなど様々な食材を取り扱っています。顧客の要望に応じてステーキ肉、スライス、ミンチ、あるいは独自の加工食品にも対応。小さいお肉から大きなお肉まで取り扱っていて、配達にも小回りを効かせるということを武器にしています。またお客様の“安心・安全”をサポートするため、2018年に総合衛生管理HACCP認定を取得。その技術を活かして何かお客様のお手伝いができないかと考え、飲食店向けの害虫駆除サービスの提供も開始しました。

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