研究者の視点から今後の国際紛争の解決策を 国際学術誌『Third World Quarterly』の特集号「Political Healing in East Asian International Relations」が発刊

陳慶昌(国際学部・教授)が客員編集長を務め、龍谷大学の複数の研究者が執筆を担当
【本件のポイント】
本特集号は、東洋医学の思想と実践を活用した国際関係論・紛争解決研究への体系的な研究成果
独自の国際関係論の構築は、東アジアにおける対立や衝突などを再考する上で重要な政策的意味を持つ
仏教に精通し、仏教SDGsを掲げる龍谷大学だからこそ探求できる研究
 
【本件の概要】
持続可能な開発のために平和的で包摂的な社会を促進することは、2015年以降のSDGsの目的の一つですが、国際関係における対立構造は悪化の一途をたどっています。例えば、COVID-19のパンデミック発生に伴う医療資源をめぐる先進国と発展途上国の対立、ロシアによる軍事侵攻をめぐる権威主義と民主主義の対立などが挙げられます。同様の懸念すべき不和や対立は、東アジアにおいても多数確認されています。 
今回発表した研究成果は、東洋医学と仏教の思想からヒントを得て、紛争を「政治的身体」の「病気」として理解し、国際紛争の解決策に新たな視点を吹き込むものです。本特集号は、研究を主動した陳慶昌(国際学部・教授)が客員編集長を担当し、国際学術誌 Third World Quarterly※1(Taylor & Francis)の特集号(45巻6号)として出版されました。また、清水耕介(国際学部長・教授)、野呂靖(心理学部・准教授)、山本アンドレイ(グローバルアフェアーズ研究センター嘱託研究員)とともに、龍谷大学の研究者4名が9本の論文のうち5本の執筆を担当しました。
※1 注)Third World Quarterlyは、開発学と国際関係論の分野で権威的な国際学術誌である。2024年4月下旬の時点で、本特集号は19,000以上のオンライン閲覧数を獲得している。
【研究成果の要約】
今までの国際紛争やそれに伴う暴力は、ウェストファリア条約(1648年)に基づく近代的な国際関係に伴う二項対立的なレンズを通して解決策を考察してきたため、幾度となく紛争が繰り返される結果となってきた。本研究では、東洋医学的な発想と仏教を機軸とし、オーストリア、日本、韓国、ニュージーランド、台湾、英国、米国を拠点とする研究者の協力を得て、目に見える紛争(患部)を解決(治療)するだけでなく、対立が起こる全体的なシステム(体全体および精
情報元サイト:「龍谷大学」
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