食の日常に入り込むフードテックの今を知ろう!世界的フードテックイベント「F4F」リポート

世界的なフードテックイベント「Food 4 Future – Expo FoodTech 2024(以下、F4F)」が、4月16〜18日、スペインのバスク州ビルバオ市で開催されました。4回目を数える今年は、国内外から287社、出展者、講演者、プレスなど約1万人が参加。7つの講演会場では連日、食産業におけるAI、オートメーション、DX、ロボティクス、アグリテックなど、様々な講演が行われ、登壇者の数、実に482人!昨年を上回る100人以上が会場入りして発表を繰り広げた日本のフードテックの最前線の様子、さぁ、お届けしましょう。 「フードデザイン」が身近になる 日本のフードテック関係者をリポートする前に、「フードデザイン」の話から始めたい。スペインでは、最近、この言葉をよく聞くようになった。というのも、フードテックには必須のコンセプトだからだ。シェフが皿の上で仕上げや素材の組み合わせをデザインするという意味ではない。土壌や海から収穫する自然の産物“ではない”食べ物をデザインすること、とでも言えばいいだろうか。サンセバスチャンからほど近く、牛追い祭りで知られるパンプローナに本社を置くCocuus System Iberica社が好例だろう。ベジタブルミートの製造会社としてスタートした同社のコアメンバーは、数学者、機械エンジニア、測量技術者、電子技術者など、食業界からおよそ程遠い分野の専門家たちだ。同社のベジタブルミートはすでにスーパーなどに出回っている。現在、彼らが取り組むのは、3Dプリンターで作るバスク名物「チュレトン(牛ステーキ)」である。通常チュレトンには雌牛の骨付きリブロースが使われるが、同社はチョリソなどの肉加工過程で出る余剰な肉を集め、動物性脂肪を取り除いた後に植物性油脂やビタミンなどを加えて3Dプリンターで成形する。出来上がった肉は本物と見紛う色形、味もまったく遜色ない。試食したが、加工肉とは気付かない出来栄えだった。しかも、栄養価は向上し、飽和脂肪酸は排除されている。 遡れば、フェラン・アドリアの最盛期にフードデザインの揺籃期があったように思う。彼は、服飾デザイナーや工業デザイナーのクリエイションのように、料理を生み出した。現在、フードデザインは食材の成分や組成、物性などの領域に深く入り込み、そのプロセスは複雑化している。消費
情報元サイト:「Web料理通信」
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