株式会社鮮冷(宮城県)
被災地・女川が完全復活を果たした証として、女川の魅力をたっぷり詰め込んだアヒージョを届けたい
宮城・三陸の海の幸、たこ・かき・ほたて・ほやを贅沢に使い、瓶詰のアヒージョに仕立てた商品。お好みの野菜を加えて調理すれば簡単に本格的なアヒージョをご自宅でお楽しみいただけます。素材を贅沢に使用しているので食べ応えも十分。女性に喜ばれる彩り華やかでお洒落なパッケージはギフトとしても最適です。
震災被害から立ち上がるため、女川らしい商品を作りたい
東日本大震災の被災地のひとつである女川。津波の被災率が8割にも上り、町のほとんどが壊滅状態にあったといいます。
「1万人から5000人ほどに人口が減ってしまい、残る人も65歳以上が人口の8割ぐらいをしめているので、改めて事業を始めたり再開したりしても人が集まらないというのは予測できました」という大山さん。
そんな女川の地で水産加工業を営んでいた4社が集まり、新しく立ち上げたのが、この鮮冷という会社だと言います。
「震災直後は電気もガスも使えずに、冷凍庫に保管してあった冷凍のサンマ、サバ、イワシなどを避難所に配ることができずに、停電のため冷凍庫も冷やせず、そのまま溶かして、泣く泣く魚を腐らせてしまいました。心ならずとも廃棄せざるを得ないという苦境に直面した、その経験から、焼いたり、煮たりしなければ食べることができない食材を扱うのではなく、直接食べることができる加工食品を開発、販売しようと考えました」(大山さん)
商品を開発する過程において、いかにして地域の強みを生かせるか?そして被災経験から、“いかに日持ちのする商品を作るか”を考えたのだとか。
「女川の特産と言えば、カキとホヤ。日本でも水揚げ量トップクラスの割合を占めています。これらを使い、保存料や調味料は使わず、保存の効く商材は何か?ということから、この“女川アヒージョ“のアイデアが生まれました」(大山さん)
買い付けが得意な会社と、加工が得意な会社がそれぞれの強みを活かして開発
もちろん、せっかく作るのであれば、世の中に広く受け入れられる商品にしたい。そこでターゲットの中心に据えたのが女性ユーザーだったといいます。
「世の女性が買い求めたいといえば、多くの男性は反対できないであろうと考えました。とはいえ、あまりモダンになり過ぎては、一過性のブームで終わってしまう可能性もあります」(大山さん)
ずっと飽きずに食べ続けられていくスタンダードな商品を作りたい。そのために“昔食べていたような、どこか懐かしい味”に仕上げ、まるで味噌煮のような定番商品に育て上げたいと考えたといいます。
「合併した4つの会社のひとつが加工品製造に長けていたのも良かったと思います。加工だけでなく販売も行っていたので、お客様の声を集めることができました。買い付けが得意な会社と、加工が得意な会社がそれぞれの強みを活かしながら作っていきました」(大山さん)
実は、その加工会社は震災前から女川の海産物を使ったアヒージョを企画して作ってはいたのだとか。
「きっかけになったのは、スペインに旅行に行った人が話していた“アヒージョがおいしかった、また食べたい”という何気ない会話。原料となる水産品は女川のほうがおいしいのだから、スペインのアヒージョよりももっと良いものがつくれるのでは?と思い加工がスタート。これだったら新しく立ち上がった会社にふさわしい商品になるのではないかと考えました」(大山さん)
ほたてやかきの味がそのままダイレクトに感じられる逸品
三陸産のたこ・かき・ほたて・ほやをオリーブオイルに漬け込んだ、瓶詰のアヒージョ。最大の特徴は、朝獲れ、鮮度抜群の食材をすぐに加工している点にあります。
「ほたてやかきは一般的に、水揚げから1.5日かけて東京に到着するため、どうしても若干、鮮度が落ちてしまいます。ところが、私たちのアヒージョは水揚げした瞬間から殻を剥いて鮮度を維持します」(大山さん)
また、冷凍庫には日本に2台しかないCAS凍結機を採用。海産物の中心から細胞膜を崩さずに冷凍できる技術により、生の鮮度を維持しながら加工に入るといいます。
“できるだけ良いものを選別して沢山商品にしたい”という思いから、ビンの中に原価スレスレまで詰め込んでいるのだとか。
「よって食感が全く違いますし、1個180円するくらいするほたてが5~6個平気で入っています。無駄な工程はなくオリーブオイル、塩、ニンニク以外、不要なものは一切入っていないので、ほたてやかきの味がそのままダイレクトに感じられます」(大山さん)
楽しみ方は様々。温めてアヒージョとして食べるのも良いし、食パンやフランスパンにつけても美味しくいただけます。パスタをゆでてオリーブオイルと一緒にホタテを入れて唐辛子と塩コショウで味を整えれば美味しいペペロンチーノの出来上がり。
「とにかく、このシリーズは女子ウケだけを意識してつくっている」という大山さん。そのためビンやパッケージのデザインにもこだわったといいます。「女性の方はビンをみると“かわいい”といって反響も大きいです。常温で販売できるため、売場も問わずレジ前などにもおけるのも良いですね」(大山さん)
日本人の魚離れを食い止める、そんな一助となればという思い
東日本大震災直後、平成25年3月にスタートした鮮冷。東北の復興と共に歩んできました。
「これまでは復興支援の一環により、多くの皆様に応援いただきました。ネット通販は言ってみれば、そういった支援の延長ではなく、まさにゼロからのスタート。“過去にとらわれず、力を合わせて前だけ向いています”“新しく画期的な商品を提供していきます”というメッセージを通じて、私たちはすでに完全に復活していますよとお伝えしたいですね」
さらに、新しい商品開発にも力を入れていきたいという大山さん。「悲しいことに今、日本では魚離れが進んでいます。そんな問題を解決する一助となればという思いから、魚の骨などを気にせず食べることができて、子どもやお年寄りなど年代を問わず喜ばれる商品の開発を進めています。いわしやサバが身体にいいのは間違いないので、ご自宅で作るよりも安くて簡単で安心で便利な商品をお届けできるよう頑張っています」(大山さん)
一度は壊滅状態になった女川の地から力強く立ち上がり、そして新しい商品開発や拡販に注力する鮮冷。この女川アヒージョは同社復活の証のような商品といえます。
今回ご紹介した企業
株式会社鮮冷 ( 宮城県牡鹿郡女川町)
宮城県女川町で長年鮮魚の冷蔵冷凍事業に携わってきた株式会社石森商店と、販売実績と加工の技で地域の信頼を勝ち取ってきた株式会社岡清が共に手を取りあい、それぞれの強みを活かしたかたちで設立された会社です。まちぐるみ、パートナーぐるみで自立したサプライチェーンを確立し地域水産業の6次化を実現。世界三大漁場のひとつ、三陸の海と豊かな森に囲まれた女川から、三陸産を中心とした水産物を日本全国の皆様の食卓へお届けします。
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