CAC Holdings 代表取締役社長 西森良太
SIerを迎え入れて地場市場に参入
――海外事業にそこまで力を入れる理由は何ですか。
当社は1970年代に台湾に現地法人を設立して以来、積極的に海外に拠点を置いてきました。もともと海外志向が強いことが背景にあると思います。80年代には日系の金融機関などのサポートで米ニューヨークや英ロンドンに拠点を置き、2000年代には中国での海外オフショア開発を本格化させています。ただ、10年代に入ってからのインドやインドネシアへの進出は、地場のIT需要を取り組むためであり、従来の海外の日系企業やオフショア開発を主な目的としたものとは一線を画しています。
当社単独で海外に拠点を構えても、なかなか地場のIT市場に食い込んでいくのは難しいため、すでにある程度の顧客基盤を持つ地場SIerをグループに迎え入れることで、地場市場への本格参入を果たしました。インドやASEAN市場への進出は実質初めてだったこともあり、会計基準をそろえるのに苦労したり、グループとの相乗効果があまり見込めないことが後になってから判明して、いったんは買収したシンガポールの会社を手放したりと、試行錯誤の連続でした。
――西森社長ご自身は、海外事業の担当経験はありますか。
私は16年までの5年間にわたって米国とインドにそれぞれ駐在して海外ビジネスを経験しました。後半のインドでは地場のビジネスを担う現地幹部の動きを見つつ、インドの日系企業から案件獲得ができないものかと考え、日本大使館が主催するビジネス交流会などに積極的に参加したものの、駐在期間中に獲得できた日系企業案件はわずか2件のみ。インドの日系現地法人の規模がそれほど大きくなかったり、IT投資の予算や権限を握っているのは日本の本社であったりと、地場で日系企業の案件がいかに少ないか身をもって経験しました。
SIビジネスは地場密着であり、営業やSEを動員して、いかに顧客の懐に深く入り込むかが勝負になります。そうした点でもすでにビジネス基盤を持っている地場SIerをグループに迎え入れる手法は、M&A後の統合プロセスがうまくいかないなどのリスクはある一方で、うまくいけば非常に有効な手段であることが改めて分かりました。
独自商材やサービスは目標過達
――国内事業についてもお話しいただけますか。
昨年度の国内売上高は、連結子会社の売却の影響もあってほぼ前年並み
情報元サイト:「週刊BCN+」
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