株式会社 橋本幸作漆器店(石川県)

輪島うるし箸 WABI SABI 琥珀

石川県輪島市にある「橋本幸作漆器店」は、百貨店や高級和食器の老舗からも選ばれる「輪島うるし箸」の名店。輪島伝統の技に現代的なエッセンスを加えた魅力的な箸を取り揃えます。なかでも2020年にOMOTENASHIセレクションを受賞したWABI SABIシリーズ「琥珀」は、伝統の「輪島うるし箸」に新たな光をあてた一品。美しい箸にこめられた想いを紐解いていきましょう。

道具の枠を超え、くらしを豊かにしてくれるお箸

「橋本幸作漆器店」は、石川を代表する「能登ヒバ」や天然漆にこだわった箸づくりを行う「輪島うるし箸」の専門店。百数十種類の工程を経てつくられる高価な「輪島塗箸」とはいかないまでも、上質なお箸を生活に取り入れたいと考えている方に愛されています。

工房では、職人たちが数種類ある漆を塗り重ね、漆ならではの美しい色味を追求。少しずつ改良を重ねながら受け継がれた、日本古来の文様を箸に装飾していきます。

数週間から半年ほどの時間をかけてつくられた一膳の箸は、見た目の美しさだけでなく、口当たりや手に取ったときの感触がやわらかく、単なる道具という枠を超えた存在になるのだそう。

「お箸は、本来2本の棒があれば事足りるものです。洋服でも上質なコットンや絹にふれた時に安らぎを感じたり、袖を通すたびに愛着が増したりするように、お箸でもそれを体験していただければ。身近にある小さな道具を丁寧に選ぶことで、日本の食や漆といった文化にふれ、日々のくらしに潤いが生まれれば嬉しいです」と代表の橋本さんは話します。

天然木と漆、そして石川の職人の技が結集した、愛される工芸品

石川県は、江戸時代以降に加賀前田藩の工芸振興のもと数多くの職人工房が発展してきたところ。ぞれぞれの工房が専門の仕事を担い、分業体制で作りあげる工芸品は、人々のくらしの中で愛用されてきました。

「橋本幸作漆器店」でつくられる箸もまた、そんな職人たちの総力が結集された一品です。木地職人から仕入れた木地箸の太さや曲がり具合を一本一本丁寧にチェックし、漆を塗り重ねます。1万分の1ミリという薄さと優美な輝きで知られる「金沢箔」を専門工房より取り寄せ、接着剤を使わず漆で丁寧に貼り付けます。各工房から取り寄せた職人の自信作を集めることで、質の高い商品をお求めやすい価格で提供することができるのだそう。

原料となる「能登ヒバ」は、県内では昔から神社仏閣に使われてきた重要な木材。ずば抜けた抗菌力と耐久性に優れた「能登ヒバ」は、石川の県木に指定され、伐採から植林まで持続可能な管理に力が注がれています。

軽く口当たりがよい「能登ヒバ」の塗り箸は、“癒し”の塗料といわれる漆の質感に心安らぎ、口から箸を抜くときの抜け感が格別です。いつもの料理をより一層おいしくしてくれることでしょう。

漆は、生き続ける不思議な塗料。乾燥しながら、ゆっくりと丁寧にその成長を待つ

ウルシの樹液を精製した漆は、塗料となってからも生き続ける不思議な天然塗料。塗ってから徐々に色が明るく変化する性質があり、湿度や温度により色の出方もまた変わるのだそう。

そのため、工房では日々の天候に合わせ、エアコン・ストーブ・除湿器・乾燥機をフル稼働。徹底した温・湿度管理が行われています。なかでも、1週間〜10日以上かけて行われる乾燥の工程は、細心の注意を要します。

漆は、“湿気がなければ乾かない”という反面、乾かしすぎれば、ちりめん状のしわが出てしまう扱いの難しい塗料。たとえ最適な管理を行ったとしても、その日の“漆の気分”により仕上がりが異なるのだそう。

そのため、乾燥には「湿(しめ)風呂」と呼ばれる特別な場所が使われてきました。湿気を吸着したり吐き出したりする木の力を利用した「湿(しめ)風呂」は、漆の乾燥に最適。漆は徐々に堅さを増し、美しい色と艶を帯び、それぞれが一点ものといえる仕上がりになります。

OMOTENASHIセレクション受賞!抑制の美が光る「黒琥珀」と「紅琥珀」

箸一本一本に個性が宿る漆塗りの箸。そんな特性を「変化や違いを楽しむ」“侘び寂び”のこころで捉えた商品が「WABI SABI」シリーズです。なかでも「黒琥珀」・「紅琥珀」は、金箔の上に「朱合漆」を塗り重ね、深い琥珀の色合いを表現した逸品です。

これまでにない「輪島うるし箸」だからこそ、金のもつ力強さをお届けしたい。そんな想いから、同じ色合いが表現できる銀やアルミ箔を使わずに、あえて金沢の金箔にこだわりました。

2020年には「OMOTENASHIセレクション(特別賞)」を受賞。華やかさを抑えた金の美しさが、国内外の有識者に認められています。

夫婦箸ではなく、それぞれ単品で贈れるところも斬新な点。バレンタインやクリスマスなどにも贈りやすく、シックな美しさは、美意識の高い男性からも愛される仕上がりです。

使い始めてからも変化し続ける漆塗りのお箸。日々変化する色味を楽しみながら、大切に育てたいですね。とはいえ、お箸は消耗品。1年くらいを目安にお取り換えがおすすめです。職人の細やかな感性が生み出す美しい箸は、豊かさや美しさとは何かを語りかけてくれる存在になることでしょう。

今回ご紹介した企業
株式会社 橋本幸作漆器店(石川県輪島市気勝平町)

昭和25年に創業した「輪島うるし箸」の専門店。「文化は食から、食文化はお箸から」をモットーに、箸づくりを通じ日本の食や漆の文化を伝えています。女性のみの工房でつくられる箸は、輪島伝統の漆塗りや装飾の技法を駆使しながらも、今のテーブルスタイルにもぜひ取り入れたくなるものばかり。若い感性を取り入れ、常に技に磨きをかける工房からは、今後も目が離せません。

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「輪島うるし箸」の専門店 石川県 橋本幸作漆器店

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