明海大学不動産学部/不動産の話題□20□<かみのやまランドバンク>

学生と教員の見方/創造性豊かな人々が集まってくるまちに/店主たちは「アーバニスト」、一番の基本に気がついた【学生の見方&考え方】(3年 冨山波音) 今年の1月、はじめて訪れたかみのやまは、聞いていたとおり空き物件や廃業した旅館群が多い印象であった。一方で、空き物件を活用した個性的で魅力的な店が既にいくつか存在し、それらを巡る人々が散見された。私自身もその1人である。 NPO法人かみのやまランドバンクによる空き家再生起業支援を受けた4つの店と、それ以外にも8つの店がこの6年間で開業している。起業支援を受けていない店も魅力的だから不思議である。 それらの店主はみな「アーバニスト」だと感じた。都市計画の授業では、まちに良い影響をもたらす創造的な人々を「アーバニスト」と呼び、彼ら彼女らが多いまちは活いき活いきすると教わった。現在、かみのやまは市内外から注目されるようになり、出店希望の問い合わせが増えている。開業したアーバニストが開業を夢見るアーバニストを呼び寄せているのではないか。 NPOは現在も4つの空き物件で6つの新しい店の起業を支援している。この出店ラッシュの背景には、NPOによる充実した支援体制がある。しかしそれだけではないはずだ。NPOのコアメンバーに話を聞いて気がついたのは、起業支援をしている彼らもまた、人の夢を応援するアーバニストだということだ。 まちづくりとは古い建物を取り壊して新しい建築をつくること、空き家問題を解決することと捉えていた。魅力的な人と人とのつながりがまちをつくる。 かみのやまに来て一番の基本に気がつくことができた。【教員による展開】(小杉学教授) 山形県上山市では、NPO法人かみのやまランドバンクが市と連携して衰退した旧市街地・温泉街の再生に取り組んでいる。空き物件を活用した起業支援事業等の6年間の取り組みを経て、魅力的な「点(店や場所)」が増え、現在ようやくそれらを結ぶ「線(道)」を回遊する人々が現れてきた。 学生が指摘するように、この背景には市とNPOによる充実した支援があった。学生の記事では「アーバニスト」概念に着目した人的支援が紹介されている。一方、起業支援では金銭面の支援が非常に重要となる。 NPO理事長の渡邊秀賢氏は、支援事業において「いかにお金をかけさせずに開業させてあげられるか」を心がけていると語る。 市
情報元サイト:「週刊住宅タイムズ」
[ オリジナルサイトで見る ]

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。