歌舞伎座サービス株式会社（東京都）

2024.03.07

歴史ある伝統芸能の美しさと魅力を届ける「歌舞伎座レトログッズ」―東京都・歌舞伎座サービス

歌舞伎座新開場10周年の記念として、大正・昭和期のチケット袋や筋書表紙のデザインをそのまま活かして作った文具シリーズです。400年に及ぶ歌舞伎の歴史と、その間に培われた芸能としての美しさや魅力を、生活に身近な文具を通じてぜひお楽しみください。

135年の歴史と伝統を受け継ぐ歌舞伎座

芝居や踊り、音楽で人々を楽しませる伝統的な総合芸術、歌舞伎。そのルーツのかぶき踊りが出雲の阿国によって京都で始められたとされるのは、江戸幕府が立ち上がったばかりの頃、400年以上も昔のことです。

その人気を受けて女性や少年たちも歌舞伎を始めたものの、風紀を乱すとして幕府はこれらを禁止します。そこから、今日の歌舞伎の基礎となる成人男性を中心とした「野郎歌舞伎」が誕生し、時代や人々の嗜好を反映しながら発展を続けてきました。

そんな歌舞伎の “殿堂” として時代を超えて多くの人々が集うのが、「歌舞伎座」です。明治時代に東京市京橋区木挽町で開設された歌舞伎座は、規模でも技術面でもそれまでの劇場を凌駕する、非常に近代的なものでした。

震災や戦争の影響を受けて4度の改修がありながらも、外観、内観ともに先代のイメージや意匠が受け継がれ、5代目となる現在の「GINZA KABUKIZA」も、135年の歴史と伝統を感じるスポットとして老若男女に愛されています。

“最大限のおもてなし”で思い出作りのお手伝いを。歌舞伎座サービス

歌舞伎座で長きにわたって食を通して人々を楽しませ、お土産を通して人々に伝統文化の魅力を伝え続けてきたのが、飲食施設や売店の運営を手がける「歌舞伎座サービス」です。

劇場を訪れた方に “それ以上の” 思い出を作ってもらえるようにと、客席で食べられていた幕の内弁当の文化を継承してお酒やお弁当を提供するほか、歌舞伎座グッズや和小物・雑貨など “ここでしか手に入らないもの” も豊富に取り扱います。
また歌舞伎座地下の木挽町広場ではお土産の販売やイベントなどを手がけ、観劇していない方にも歌舞伎の雰囲気を味わってもらえるよう、文化の発信にも力を入れてきました。

そうしたおもてなしが作る心地よさに、若い方からご年配の方まで歌舞伎を愛する方々はもちろん、全国各地や海外から観光に来る方、木挽町広場で仕事の合間に一息つくビジネスパーソンまで、幅広い層のお客様が思い思いに歌舞伎座での時間を楽しんでいます。

歌舞伎の歴史と魅力を詰め込んだ「歌舞伎座レトログッズ」シリーズ

今回ご紹介するのは、歌舞伎ならではのデザインを活かして作られた文具シリーズ、「歌舞伎座レトログッズ」です。

2021年、松竹大谷図書館で開催された「歌舞伎座チケット袋」展を訪れた歌舞伎座サービスのある社員は、展示されたチケット袋のモダンなデザインにとても驚いたのだそう。これが、「歌舞伎座レトログッズ」誕生のきっかけになったといいます。

ちょうど当時は歌舞伎座新開場10周年を控えていたことから、“歌舞伎という演劇が長い時間をかけて培ってきた美しさや魅力を伝える記念グッズ” というコンセプトで、商品化の取り組みがスタートしました。

大正・昭和期のデザインを活かして懐かしさやレトロさを感じてもらいながらも、近年増えているという若い歌舞伎愛好者にも気に入って手にとってもらえるよう、グッズは文具にすることに。デザインは松竹大谷図書館のデジタルアーカイブより、戦前の歌舞伎座筋書表紙の画像データや所蔵されていたチケット袋を活用して、商品づくりが進められていきました。