株式会社 まるすぎ (愛知県)
懐石料理のような美味しさと高い安全性の両立―「アレンジ惣菜セット」
愛知県春日井市で産業給食や冷凍総菜を提供する「株式会社 まるすぎ」。同社が開発してきた人気の冷凍総菜をセットにしたのが「アレンジ惣菜セット」です。どれも素材を活かした優しい味付けで、そのまま食べられるだけでなく、ちょっと手を加えてアレンジもできるお惣菜ばかり。しかも無添加にもこだわり美味しくて安全と評判の商品です。
懐石料理の品質を産業給食のノウハウで
まるすぎの冷凍のお惣菜は、もともと同社が持っていた2種類のノウハウを組み合わせて生まれました。
同社では「産業給食」、すなわち企業向けの仕出しのお弁当事業を行っており、大量調理のノウハウがありました。そして懐石料理のお店も経営。20年間こだわりの料理を提供していましたが、女将さんが定年退職するのに伴いそちらのお店はたたむことに。
そのタイミングで、大量調理のノウハウと懐石料理のこだわり料理のノウハウの両方を活かせる事業として、冷凍のお惣菜販売をスタートさせたのだといいます。
「お弁当と懐石料理、まずはそれぞれで人気のあったメニューを商品化したんです」
同社の代表取締役社長の長谷川さんはいいます。
仕出し弁当の日常的なメニュー、懐石料理の高品質のメニュー。どちらも長年お客様に愛されてきた料理で、味はお墨付きです。しかも同社が初めからこだわっているのは味だけではありません。
添加物を使用しない、安全性の高い料理。安心して食べられることには強い信念を持っています。同社は介護事業も展開しており、食と健康への意識は高いものがありました。
手軽で、美味しくて、安全。当然のことながら多くの人たちの間で同社のお惣菜は評判となっていきます。
食は健康のもと
健康のため食に気を使っている方にぴったりですね、そう長谷川さんは話します。実際に購入されているのも、ふだんから国産の食材や無添加の食品を買っているような方が多いそうです。
年齢層は幅広いといいます。メインは40代からそれ以上の方々ですが、妊婦の方や子育て中の主婦の方も利用されているとのこと。というのも、20~30代の方は同社のSNSから購入するケースも多いのだそうです。そのほかギフトで出産祝いなどとして贈る方が意外に多いのだとか。出産祝いのほかは、母の日やお中元・お歳暮、また一人暮らしのお子さんに親御さんが送るパターンも。
基本的には冷凍庫にストックしておいて、忙しい日やちょっと一品プラスしたいときなどに利用されている方が多いですね、と長谷川さんは話します。手軽に美味しいものが食べられるので頼りになります。そういった使い方だからか、基本的に定番料理を購入される方が多いそうです。
そのほか子育て中の方だと離乳食や幼児食にアレンジして使っているパターンもあるのだといいます。安全性の高い商品なので、小さなお子さんにも安心して食べさせられるのでしょう。このように、健康や食の安全性への感度の高い方に人気です。
しかし味と安全性と価格。バランスを取るのは難しいのではないでしょうか。お話をうかがうと、利用しやすさにも配慮しつつ安全性にはかなりの注意を払っていました。
幾重にも重なる味と安全へのこだわり
まず、素材は極力国産のものを使用しています。たとえばひじき。広く流通している外国産と比べると、国産のひじきの価格は3~10倍だといいます。しかし同社では国産を使用。ただし、価格とのバランスも取りながら一部の食材は輸入品も使っています。
製造の過程でも安全への気配りが。添加物は基本的に使用していません。だしも化学調味料を使わずに昆布やかつおぶしからしっかり取っているといいます。1日に使う天然だしの量はなんとドラム缶8本分。しかも製造時に添加物を加えないことはもちろん、調味料も添加物不使用のものを選ぶこだわりぶりです。
そしてさらに他社と違うのが調理後に殺菌を行っていること。同社は、レトルト商品も製造しています。そのためレトルト用の機械を使って、冷凍食品も加熱殺菌しているのだそうです。
「一般的には、せいぜいボイル殺菌をしているぐらいだと思いますが、当社ではレトルト機を使って温度管理をしながら一定時間殺菌しています」
そういいます。
殺菌が終了したら急速冷凍。できたての美味しさを閉じ込めるように冷凍します。
また同社ではスーパーマーケットや百貨店とも取引があります。より高い安全性が求められるため、金属探知機で異物が混入していないかも確認しているのだそうです。
もちろん味にもすみずみまで目が行き届いています。食材には、冷凍に向くものと向かないものがあります。同社では試作の段階で品質を保てるか判断。取捨選択をしているといいます。
またテレビ番組で料理の監修をしている方とともにメニューを開発。とくに人気があるのは、今回ご紹介のセットにも入っている「牛すじのトマト煮」だそうです。
「そのままでももちろん美味しいですし、トーストに乗せたりパスタにしたりアレンジしても美味しいですよ」
長谷川さんは我が子の話をするように微笑みます。
さらに、集まってくるお客様の声をもとに、今も商品の改善を行っているといいます。
こうした開発力と美味しさが他企業の目にも止まり、宣伝をしていなかったのに大手メーカーからOEM(委託製造)の依頼が来るようになったそうです。そしてOEMも学びの機会となっており、さらに開発力・技術力が向上するというプラスの循環になっていると話します。
毎日食べるものだからこそ
長谷川さんは、無添加にこだわる想いを話してくれました。
「2020年に、『食品表示法』という法律が完全施行されました。それによって、加工食品は食材の原料原産地の表示が義務付けられ、添加物の表示方法も分かりやすいものとなりました。それは消費者の皆さんにとってよいことではありますが、食べるものを選ぶことが自己責任になったということでもあります」
添加物入りの食品を食べていて身体に異変が起こったとしても、それは自分で選んだんでしょう?と判断されるようになっていくというのです。
「とくに日本は添加物の種類が多いんです。毎日食べるような食品でも当たり前のように使われています。身体に与える影響に注意したうえで食品を選んでほしいと思います」
すでに述べたように、同社では添加物を使用していません。
「やろうと思えば、うちみたいに添加物を使わずに作れるはずなんです」
しかし添加物に頼る食品メーカーはまだまだ少なくありません。確かに、化学調味料を使えば手間もかからず安定した味づくりができます。同社のように天然だしを毎日ドラム缶何本分も作る必要はなくなるでしょう。保存料を使えば手っ取り早く保存がきくようになります。それなら同社のように殺菌する必要もありません。
このように添加物にもメリットはあります。しかし安全性がないがしろにされる可能性はどこまでもついて回ります。添加物使用が当たり前の風潮の中、その風潮に逆らうのは大変ではないのでしょうか。
流されずにやるのは大変ですよ、と長谷川さんはいいます。
それでも美味しくて安全なものを提供したい、大事にしていることは譲らずに製造しているし今後もそうしていきたい、そう話します。
「正直なところ、高いといわれることもあるんですが」
「それでもこだわりがわかってもらえれば、決して高くないと気づいてもらえると思っているんです」
そういいます。
ふだんの食事となる商品だからこそ、安全性に自信があるものしか作りたくない。もちろん美味しいのは前提で、安全なものを提供したい。
産業給食と懐石料理のノウハウを組み合わせた事業をスタートしたときから、その想いは変わっていないのだと感じました。
今回ご紹介した企業
株式会社 まるすぎ (愛知県春日井市)
1980年創業。もともと産業給食(企業向けのお弁当)の会社として、地元近郊の企業に仕出し弁当を提供していました。現在も春日井市・小牧市・名古屋市を中心に毎日3,000食提供。11年前まで20年間懐石料理店も運営。大量料理の技術と懐石料理のこだわり・品質で、冷凍弁当事業を開始。大量調理でもこだわりを持ち、化学調味料を一切使用しないことをコンセプトに、冷凍食品・スーパー向けのLLC(ロングライフチルド)・レトルト商品を製造。自社製品のほかOEMにも対応しています。
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