株式会社 山方永寿堂(岡山県)

岡山が誇る「桃太郎伝説」ときびだんごの魅力を次世代に伝えていく役割を自覚

創業以来、きびだんご一品づくりの専門店「山方永寿堂」がつくったきびだんご(吉備団子)の3種セット。プレーン味は、全国菓子大博覧会で高位賞を4大会連続受賞、これ以上審査の必要がないという「無鑑査賞」まで受賞しています。プレーン、きなこ、白桃の3種類を用意。かわいらしい包装紙で個包装されているので食べやすく、配りやすい一品です。

桃太郎に登場する岡山名物「きびだんご」

今や日本を代表する昔話のひとつに認識されている「桃太郎」。諸説ありますが、岡山には「鬼城山」「吉備の中山」「楯築遺跡」など、桃太郎伝説ゆかりの地が何か所かあることから、岡山の郷土にしっかり根付いている印象があります。桃太郎の中に登場する「きびだんご」も、またそんな岡山名物として知られる郷土の味のひとつ。

「きびだんごがいつ頃から庶民に親しまれていたのかは定かではありませんが、昔は五穀の黍(きび)を主とした団子で、桃太郎伝説にゆかりのある吉備津神社などでもきびだんごがふるまわれていたそうです」というのは、山方永寿堂の福田さん。

きびは口当たりがザラザラしており、独特な香りがあるので、後にもち米や水あめを混ぜて、柔らかく日持ちも良くしたものが考案され、当時の池田藩へも献上されていたのだとか。それが現在のきびだんごに繋がっているのだといいます。

創業70周年を機会に変更した親しみやすいパッケージ

昭和21年創業の山方永寿堂は、きびだんごの製造販売業者としては後発にあたりますが、他の和菓子に見向きもせず、きびだんご一品を半世紀以上、ひたすら作り続けてきました。その真摯な姿勢で追求を続けてきた、究極のきびだんごに多くのファンが魅了されています。

「創業者の精神を受け継ぎ、『和顔愛語』という標語のもと、仕事に向き合ってきました。このようなお客様に対する思いやりの心が、ひとつの商売を長く続けてこられた理由だと思います」

郷土の味である素朴なきびだんごを、ひとりでも多くの方に楽しんでもらいたい。そんな思いが強く表れているのが、楽しくストーリー性のあるパッケージです。

「私たちのきびだんごとともに桃太郎物語を楽しんでもらえるように、創業70周年を機会にパッケージを変更しました。箱を開けると桃太郎が生まれて、鬼ヶ島が出てきて、個包装紙も物語のキャラクターになっているなど、より楽しんでもらえるように工夫をしています」

折り紙作家として活動されているデザイナーに依頼し、昔ながらの物語をポップな雰囲気で表現。きびだんごを通じて桃太郎物語を、次世代に伝えていきたいと考えているのだとか。そうして岡山旅行のおみやげとしてのみならず、県外での販売機会も年々増えていきました。

釜炊きの餅米だからこそ実現できる独特の食感

「きびだんごはメーカーによって味が違うのだということを知っていただきたいですね」と福田さんは言います。 山方永寿堂のきびだんごの特徴はモチモチと柔らかい食感。万人が食べやすさを感じる上品な甘さに仕上げているといいます。

主原料は、もち粉、砂糖、水飴、きび粉などきわめてシンプルですが、その特徴は製造過程の違いよるものだといいます。

「私たちは、餅を炊くときに、専用設計の大釜で時間をかけて炊き上げています。そこに時間をかけることによって独特のモチモチ感が生まれます」

また、岡山の特産を活かした3種のきびだんごを用意している点にも注目。「プレーン、きなこ、白桃と3種類の味を用意。きなこは岡山県産のものを使っており、白桃は岡山県産の白桃ピューレを練り込んでいます。きびだんご本来の味を活かしつつ、桃の自然な香りと優しい甘さで食べやすくしています」

また、熟練のスタッフによる手作業の工程も多く、ひとつひとつのきびだんごを優しく取り扱っているという点にも、山方永寿堂の姿勢が現れています。

若年層や海外の方々にもきびだんごの魅力を届けたい

福田さんは謙虚に、山方永寿堂のスタンスをこのように述べます。
「私たちは今の時代に合わせて窓口を広げて、昔ながらの物語やきびだんごを楽しんでもらう、そんな役割を担っていると自覚しています」

窓口を増やすことで、従来のきびだんごのイメージを払拭。“もっと楽しく触れやすいもの”にしていきたいといいます。そういった意味で、ネット通販の活用は必須なのだとか。

「今の社長に代が替わってから、ホームページも可愛く親しみやすいものに一新。これからもどんどんネット需要は伸びていくと思います」

きびだんごの魅力を届けたいのは、シニアから次世代を担う若年層まで幅広い方々。「岡山に直接お越しいただけない方にもオンライン上で魅力を知ってもらいたい、日本国内に限らず海外でも、幅広くいろいろなシチュエーションで食べていただきたい」といいます。

「例えば、パッケージデザインも、ひなまつりやこどもの日、ハロウィンなど季節ごとにいろいろと揃えているので、季節の行事の際にも召し上がっていただきたいですね」

今は、可愛いパッケージがインスタ映えすると評判に。「多くのお客様が商品を食べるだけでなく、可愛いからとパッケージをSNS上にアップしてくれたり、食べ終わった箱を保存しておいてくれたりと、派生的な楽しみ方が生まれています。それを見てくれた方がまたきびだんごを買ってくれるという広がりを見せてくれたら大変嬉しいですね」

今回ご紹介した企業
株式会社 山方永寿堂 (岡山県岡山市中区)

昭和21年創業で、今年で75年目を迎えたきびだんご専業の会社。現在岡山には、きびだんごをメインに作っている会社が6~7社ほどあり、他のお菓子とともにきびだんごを作っている会社を含めると10社を超えます。その中でも唯一、きびだんごのみを専門として作っています。全国菓子大博覧会において、昭和40年の第16回大会から4大会にわたり高位賞を連続受賞。昭和59年の第20回大会では、これ以上審査する必要が無いという「無鑑査賞」に輝きました。時代と共に多様化するお客様のニーズにお応えしつつ、常に贈る方と贈られる方の気持ちを大切に、伝統の味を守り続けています。

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