株式会社 林屋久太郎商店 (京都府)
宇治抹茶スイーツの先駆者が手がける、お茶が主役の「京・宇治どら焼き」_京都府・林屋久太郎商店
どら焼きの皮に宇治抹茶を練り込んだ、お茶屋だからこそ作れる「京・宇治どら焼き」です。小麦粉は三重県産、小豆は北海道産を使用し、抹茶の魅力を最大限に引き出す配合を生み出しました。袋を開けた瞬間から漂う抹茶の香りと、口に広がる本物の抹茶の苦みをお楽しみください。
「食べるお茶」で日本人のお茶離れを防ぐ
「食べるお茶」をコンセプトに抹茶スイーツの開発・販売を手がけるのは京都府宇治市の株式会社林屋久太郎商店です。代表を務める林屋和成さんは京都府宇治市に生まれ、高校卒業後、1975年に親類が経営する宇治の林屋製茶合名会社に入社。30年間に渡り、お茶の栽培や製造、商品企画、店舗プロデュースなどに携わりました。
1989年、日本ではお茶の缶ドリンクが普及し始め、いつでも手軽に同じ味のお茶を飲むことができるようになりました。これにより、日本人が急須でお茶を淹れる文化から離れ、お茶が売れなくなってしまうことにいち早く危機感を覚えた林屋さんは「食べるお茶」をコンセプトに、抹茶スイーツの開発を開始。宇治のお茶屋としては日本でいち早く取り組みを始めました。
2003年に京都宇治の老舗、上林春松堂の協力のもと、宇治抹茶が主役の洋風和菓子抹茶スイーツを販売する自社ブランド「茶游堂」を立ち上げ、本格的に抹茶スイーツを手がけるようになったのです。
抹茶はお菓子の材料としての相性が抜群
その後、2006年に株式会社林屋久太郎商店を設立し、10種類以上の抹茶スイーツを考案。抹茶スイーツの先駆者として注目される林屋さんは、抹茶とお菓子は相性が良いと話します。
「他のお茶と違って、抹茶は熱を加えなくても味がありますし、香りもあります。例えば煎茶は抽出をして飲むためのお茶ですが、抹茶は粉を溶いてそのまま飲みますよね。本来、抹茶は“食べるため”に作られたもので、パウダー状になっているので、お菓子の材料として使いやすい一面を持っています」
今や、日本だけではなく世界中から注目される抹茶ですが、パウダー状になっているお茶の全てが抹茶というわけではありません。本来は食べる目的で作られていない煎茶や玉露なども、ボールミルで粉状に挽いたものは抹茶と呼べてしまうのです。世の中では多くの抹茶スイーツが販売されていますが、人工甘味料などが含まれていることも少なくありません。そのため、林屋さんは「真の抹茶の味を知って欲しい」と言います。
“本物の”抹茶が堪能できる、こだわりのどら焼き
今回ご紹介する「京・宇治どら焼き」は、宇治抹茶を皮に練り込み、三重県の小麦粉と北海道の小豆を使った、素材にこだわった一品です。全自動で作っている商品ですが、抹茶ならではの繊細さに苦労することもあるのだとか。
「抹茶は70度以上になると、茶色く変色してしまいます。季節や気象条件で製造場所の温度も変わるので、他の素材との配合バランスがとても難しい。全自動で簡単に加減ができないので、完成した現在も日々出来上がった商品を食べて、より抹茶を味わっていただけるどら焼きを追求しています」
林屋さんは、初めてどら焼きづくりをした際、和菓子屋の大将から「どら焼きは皮を食べるもの。最中は餡を食べるもの」と教わったのだとか。そのため、林屋さんのつくるどら焼きは、餡を控えめに、皮から抹茶を存分に味わうことができる配合になっています。
宇治のお茶を後世に残す。お菓子をきっかけに抹茶を飲む人を増やしたい
「京・宇治どら焼き」は、袋を開けた瞬間から抹茶を楽しむことができる商品です。
「まず、袋を開けた瞬間に抹茶の香りがブワッと漂います。そして、口に入れた途端に抹茶の苦味が口の中いっぱいに広がります。苦味や渋みというのは、嫌われてしまいやすいですが、当社のお菓子は他の材料の甘みと喧嘩をしないように、商品ごとに抹茶をブレンドして黄金比を追求しています。抹茶の苦味を上手く効かせているため、甘すぎない。お菓子を食べたあとは、お茶や水が欲しくなる人も多いと思いますが、当社のお菓子は食べたあとに喉が渇かないことも一つの特徴です」
とことんお茶にこだわった商品を手がける林屋さんは、抹茶が苦手な人にこそ食べて欲しいと話します。
「当社で扱うお菓子は、誰もが一度は食べたことがあるポピュラーなものばかり。そのお菓子に本物の抹茶が加わるとどんな味の変化があるのか、ぜひ楽しんで欲しいですね。まずは抹茶のお菓子を食べていただいて、最終的にはお抹茶を飲んでくださる方が増えると良いなと思っています」
今回ご紹介した企業
株式会社 林屋久太郎商店 (京都府宇治市)
京都府宇治市にて2006年に設立。「お茶が主役のお菓子」をコンセプトに10種類以上の抹茶スイーツを開発・販売しています。宇治抹茶スイーツの先駆者である代表の林屋和成氏を筆頭に、お茶屋としてお茶の美味しさを追求したスイーツをお楽しみください。
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