サンフーズ株式会社（富山県）

手軽に富山流のパンチの利いた焼きそばを楽しんでほしい―富山ブラック もつ野菜焼きそば

富山県高岡市にあるサンフーズ株式会社の「富山ブラック もつ野菜焼きそば」は、ご当地ラーメン「富山ブラック」の人気店「麺家いろは」監修の焼きそば。豚もつの食べやすさと野菜のうまみ・太麺のもっちりとした食感を、魚介の香りとコク・キレの同居した醤油ダレでまとめました。すぐに作れる具材と麺の冷凍のセットです。

富山流のもつ鍋からもつ野菜焼きそばへ

サンフーズ株式会社は、もともと野菜のカットを行っている会社です。2015年の北陸新幹線開業に伴い、県外の人にも富山の食の美味しさを伝えたいと考えました。そこでまず商品化したのは、もつ野菜焼きそばではなくもつ鍋。博多のもつ鍋をヒントに、富山流にアレンジしたもつ鍋を作ることにしたのです。

牛もつを使う九州とは違い、富山でもつと言えば豚もつ。もつ煮込みうどんを提供するお店も多数あり、行列で有名なお店もあります。そちらのもつも、当然豚もつです。

鍋のスープは富山のご当地ラーメン「富山ブラック」のスープに決めます。富山ブラックは醤油の塩気とコショウの香り、ダシの利いたスープが特徴。お土産用のラーメンを食べ比べてみて、味に惚れ込んだお店が「麺家いろは」でした。

麺家いろはは、国内最大級のラーメンの祭典「東京ラーメンショー」で売上数1位を5回取っている人気店。富山県内にベースを置きながら全国・海外に富山のラーメン文化を発信しているお店です。

豚もつと麺家いろはのスープで試作品を作り同店に連絡、試食してもらってコラボが決定します。もともとお互い面識はなく、「人より先にタレに出会った」のだそうです。

そうして具材と麺家いろはのスープ・締めのラーメンのセットを開発、販売に至ります。しかしもつ鍋は、夏場に食べるには熱くてやや不向き。そこでオールシーズン楽しめるようにと、富山ブラックと豚もつ・麺のコンビネーションを、スープのない焼きそばで感じてもらおうと考えたのでした。

隅々まで美味しさを盛り込んだ商品に

もちろんやるからにはしっかり美味しいものを作りたい。富山ブラックというと県外ではスープが塩辛いというイメージが一般的で、苦手意識がある人も。実は麺家いろはに惚れ込んだ理由がまさにタレでした。

麺家いろはのスープは富山ブラックとしては塩気は控えめです。魚醤を使ったマイルドで魚介の香りのする同店のタレを合わせたかったのだといいます。焼きそばにはまぜ麺、いわゆる油そば用のタレを使用。コショウも付けて富山ブラックの特徴も再現しつつ、削り節でアレンジも加えました。

身近なグルメとして手軽に食べられるようにと、美味しさだけでなくボリューム感にもこだわりました。麺は全粒粉を配合してもっちりした食感に。麺家いろはのコクのあるタレに負けないよう、極太麺を選びました。

もつは地元富山産の豚もつを使用。どうしても足りないときは他県産を使いますが、国産のもつだけです。豚もつは、牛もつに比べるとさっぱりと食べやすいのが特徴。柔らかくて臭みのないもつを仕入れています。

野菜は白菜・玉ねぎ・にんじんの3種。全国の契約農家から仕入れた安心・安全な野菜を使っています。この焼きそばは野菜がメインの商品ではありませんが、野菜はどんな料理にもなくてはならないもの。すべてがセットになっていて手軽に調理できる商品を作りたかったのだそうです。野菜カットのノウハウを活かして、麺に合うよう工夫しています。

遠方の方々のために、味と保存性を両立

商品の開発は、社内の試食で何度もいろいろな組み合わせを試して候補を絞り込んでから、監修の麺家いろはに選んでもらうスタイルで完成させました。たとえば麺も、最終的に決めてもらうまでに何種類も社員で食べ比べたのだそう。社内でも一番評判のよかった麺に決まりました。もつを選ぶときも、牛もつも試してみましたが脂が強すぎてやはり豚に決めたといいます。

この焼きそばは、発売開始時は冷凍ではなく冷蔵の生麺ともつ・野菜のセットでした。消費期限はたったの3日だったそうです。冷蔵だと野菜が新鮮な状態を保てないからでした。美味しさにこだわると遠方の人に食べてもらうのが難しくなり、味と保存性を両立させるのに何年も悩んだといいます。

何かいい方法はないかと考えあぐねていた折に出会ったのが、パックした食材をマイナス30度のアルコールに浸けて急速冷凍するという機械。冷凍前の品質が保てるという話でした。

早速試してみると、食材の細胞のダメージが非常に少なく、解凍しても野菜のシャキシャキした食感が残っていました。野菜のプロから見ても納得できる品質だったそうです。早速導入を決め、生から冷凍の商品へ仕様を変更。そのおかげで賞味期限も長くなりお届けしやすくなりました。

パンチの利いた焼きそばを、いろいろな人に楽しんでほしい

商品化を思い立ってから販売にこぎつけるまで約半年。生麺での販売をスタートして5年、冷凍に変えて2年の年月が経ちました。冷凍にすることで、3日だった賞味期限が今では品質を落とさずに150日まで伸びました。

このもつ野菜焼きそばを一言で形容するなら、「パンチが利いている」だそうです。富山ブラックのタレのキレ、もつのスタミナ感、太麺のもっちりとした食感、全体のボリューム…。確かにいろいろな点でパンチが利いた焼きそばです。

麺はデカ盛り、野菜と豚もつもたっぷり入っているので、ガッツリ食べたい方にぴったり。小食の方やお子さんなら1人前をシェアしても満足できるボリュームです。

またバーベキューやおうち焼肉など、みんなで集まってワイワイ食べるときの最後の締めにもぴったりです。具材も全部そろっているので、ほかに食材を買い足す必要がありません。

冷凍食品の良さも認知されつつあるので、健康などいろいろなテーマで今後もセットの商品を提供していきたいと考えているそうです。

今回ご紹介した企業
サンフーズ 株式会社 （富山県高岡市）

万葉集で知られる大伴家持も赴任し、高岡銅器でも有名な歴史ある高岡市。サンフーズ株式会社は、高岡市でカット野菜の加工・販売とデリカフーズの開発・販売を行う会社です。全国の契約農家から「適時収穫」で仕入れる新鮮野菜を、安全安心にこだわって加工。冷凍を武器に、より多彩な商品開発を企画中です。

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