株式会社黒潮町缶詰製作所(高知県)
毎日食べたい日(ひ)常食「四万十ポーク缶詰」で、美しい町と町に暮らす人々を守りたい
高知県のブランド豚・四万十ポークを塩胡椒焼き・ネギ塩ダレ・ゴボウの甘辛煮の3種類で仕上げ、丁寧に缶詰にしました。時短調理の主役やおつまみ、アウトドアにも最適で、保存食としても活躍します。高知県の豊かな自然の中で育った四万十ポークと、黒潮町産の黒糖・天日塩など厳選した素材の味わいをお楽しみください。
町と人々の暮らしを守るため、新産業の創造にチャレンジ
高知県西部、太平洋に面した砂浜の美しい小さな町、黒潮町。この町では漁師たちが来る日も来る日も漁に出発し、県下一の漁獲量を誇るカツオ一本釣りのほか、地域の特性に合わせた漁法で100種以上の多様な水産物が水揚げされるのだとか。
そんな海の恵みの町は、2012年3月に大きな驚きに包まれました。南海トラフ巨大地震の新想定として「“34.4メートル”という日本一高い津波が黒潮町に押し寄せる可能性がある」と公表されたのです。
住民からはこの町に住むことへの諦めが起きようとする中、「犠牲者ゼロ」を掲げた町ぐるみの防災対策が始められました。
「大きな企業が少ないこの町では、かねてより人口の減少や流出という課題を抱えていました。そうした中で発表された厳しい想定を危惧し、人々が町を離れてしまうことを防ぐために、新たに産業を興そうと考えたのです」と話す黒潮町役場の友永さん。
こうして南海トラフの想定に負けず、町と人々の暮らしを守ろうと「黒潮町新産業創造プロジェクト」が発足しました。
このプロジェクトでは「防災の町」としての認知度を活かし、防災関連産業に取り組むことに。備蓄食料として缶詰を作って流通させ、雇用の場をつくり出すべく2014年3月に黒潮町缶詰製作所を創設。翌4月には工場の操業をスタートさせたそうです。
「地域のシェアを奪い合うようでは、町の皆さんに望まれる企業にはなれません。民業を圧迫しないためにも、あえてこの地域になかった“缶詰”に挑戦することに決めました」
安心・安全で美味しい缶詰づくりへの徹底したこだわり
商品づくりは、黒潮町の名産でもある一本釣りのカツオを使用した缶詰からスタートし、工場の操業からわずか4ヶ月後には2種類の商品が誕生しました。
「はじめは地元の道の駅で販売を開始し、翌年からは高知県内の自治体の備蓄として販売して県内の経済活性化につなげていきました」
展示会への出展や人の紹介などによって少しずつ輪が広がり、町の防災の取り組みに共感してくれる方も増えてきたといいます。
黒潮町缶詰製造所が手がける缶詰の特徴は、味に徹底的にこだわること、そして安心・安全であること。
非常時に食べ慣れないものを食べるストレスを考え、栄養士・シェフと連携して「日常の美味しさ」と「料理としての完成度」を重視した開発が進められています。
また商品は全て7大アレルゲン不使用で、食品・調味料選びから製造工程・衛生管理にまで気を配っているのだとか。「町に雇用を生むために興した産業だからこそ、薄利多売にはできません。しっかりと付加価値をつけた良い商品を提供していくことが重要だと考えています」
この土地ならではの恵みをふんだんに使用した、“四万十ポーク缶詰”
今回ご紹介するのは、四万十ポークを使用した缶詰です。味は塩胡椒焼き、ネギ塩ダレ、ゴボウの甘辛煮の3種。高知県の豊かな自然の中で育った四万十ポークの美味しさを存分に引き出すために、生産者の思いに加え開発担当者とシェフのこだわりが詰まっているといいます。
「ソースやオイルが使用されることの多い缶詰には珍しく、塩胡椒焼きは、地元の天日塩を使った味付けで、日本酒やビールによく合うさっぱりとした味わいを目指しました。一方甘辛煮は、黒潮町の黒糖を使ってご飯に合う味わいに仕上げられているのが特徴です。またネギ塩ダレ味は、一味違った味付けを狙いました」
いずれも食材としてあまり流通しない「未利用部位」の活用に目を向け、スネ肉をモモやウデ肉にミックスして使用しているのだとか。スネ肉特有の筋張った固さを感じない、高圧調理ならではの柔らかな食感が魅力だと友永さんは話します。
四万十ポーク缶詰は、備蓄食料としてはもちろん、時短調理の主役やアウトドアのご飯のお供、お酒のおつまみなど幅広いシーンで大活躍。その美味しさと使いやすさから、ギフトとしても人気だそうです。
「アレルゲン不使用かつお子様でも食べやすい味付けなので、贈りものにしやすいというお声をいただいています。美味しい食べものの豊富な高知県で、味にこだわって作った缶詰なので、ぜひ高知県にゆかりのある方への贈りものなどに使っていただけたら嬉しいですね」
毎日食べたくなる美味しさが、備えになる―“日(ひ)常食”を目指して
黒潮町缶詰製造所では、熊本地震や西日本豪雨、千葉での台風被害をはじめとした災害の被災地に、缶詰を届ける活動も行われています。
「アレルギーで悩む方はたくさんいらっしゃるので、我々の缶詰のような食品が世の中で当たり前にならなければいけません。食べることは生きることにつながるからこそ、非常時に“美味しさ”と“安心・安全”を届けられる企業であり続けたいと思っています」と、東日本大震災でアレルギー非対応の支援物資に不安を覚えた方が数多くいたことを振り返り、友永さんは話します。
黒潮町缶詰製造所が目指すのは、“毎日食べたい非常食=日(ひ)常食”。美味しくて安心・安全だからいつも食べる。だからこそ日常的に購入し、それが備えになる……そんな循環を生むことが、災害への不安を抱える方々を守るために大切なのでしょう。
「今後もたくさんの方に日常的に食べていただける缶詰をつくり、広げていきたいと思っています。そのことが“もしも”の時に役立ち、結果的に災害対策につながることが理想です」
高知県の豊かな恵みを詰め込んだこだわりの缶詰を、日常の楽しみに、そしていざという時の備えに、大切な方に贈ってみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した企業
株式会社黒潮町缶詰製作所(高知県黒潮町)
2014年3月11日創業。「南海トラフ巨大地震における予想津波高日本一」という厳しい想定に負けず、新たな産業を興して人口流出を食い止めようと立ち上がった、町の缶詰工場です。「誰もが幸せになれるよう、おいしい、やさしい、安心、安全な食を提供する」ことを使命に、7大アレルゲンを使わず味にこだわって作り上げた缶詰を提供しています。
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