國和産業 株式会社 （岡山県）
干し柿を丸ごと使った日本の伝統茶菓「柿巻」を、「山柿庵やま柿」で身近に―岡山県・國和産業
干し柿を一つひとつ開いて種とヘタを取り除き、重ねて巻いた日本伝統のお菓子「柿巻」を、一口サイズにスライスして仕上げました。干し柿本来の美味しさが魅力の一品です。お茶はもちろん、チーズやバターなどの乳製品、ワインや梅酒などのお酒と合わせてお楽しみください。
日本伝統のお菓子、柿巻を手がける「國和産業」
岡山県南部に位置し、美しい海や風情豊かな町並み、繊維産業などによって多くの観光客に親しまれる町、倉敷市。豊かな日照や瀬戸内らしい温暖な気候、高梁川の美しい水などにも恵まれ、白桃やマスカット、ピオーネといったさまざまな果物の産地としても知られます。
國和産業は、そんな倉敷の地で1971年に創業した老舗のお菓子屋さんです。九州で生まれ、神戸で働いていた創業者が岡山の女性に惹かれたことを機にこの地を訪れ、柿の木を見て「柿巻でも作ってみよう」と思い立ったのが創業のきっかけだったといいます。
柿巻とは、やわらかな干し柿を一つひとつ開いて種とヘタを取り除き、重ねて巻いたお菓子のこと。創業者の地元・九州や岡山県の柿産地などで作られているという、昔ながらの日本伝統のお菓子です。國和産業はこの柿巻の味を創業以来磨き続け、土産菓子として日本全国のお客様に販売することで少しずつ会社を成長させていきました。
柿巻作りを通して、日本の柿農業を支える
2009年には柿のお菓子ブランド「柿菓房 山柿庵（さんしあん）」を立ち上げ、ますます柿に対するアイデンティティを深めていく中、國和産業は日本全国の柿の産地を巡って国産干し柿原料の調査をし、その際に生産者の方々から多く聞かれた「もう少し若ければ協力できた」「もう体がしんどいから」というお言葉に、担い手の高齢化の現実を目の当たりにしたのだそう。このままでは日本の柿農業がなくなってしまうとの危機感から、2020年に農産事業部を立ち上げ、同社役員が所有する土地を自社農園に開拓し、岡山県内で担い手のいなくなった柿の耕作放棄地を受け入れるなどして、柿の農業を始めました。また自社栽培の原料だけでなく、岡山県内の柿農家をはじめ、和歌山や徳島などで大切に育てられた柿原料の活用に力を入れているのだといいます。
柿巻は、干し柿を開いてヘタや種を取り除き、巻き込んで仕上げる……そのすべての工程について、手作業で行われています。
渋みが戻ってしまうために熱処理ができず、変色しやすく、賞味期限が短い。そんな扱いが非常に難しい干し柿という食材を、柿本来の味わいを残したまま日持ちする美味しいお菓子に加工できるのは、國和産業が創業以来培ってきた製造・品質管理技術の賜物だと言えます。
魅力たっぷりの柿巻を食べやすい一口サイズの「山柿庵やま柿」で
今回ご紹介するのは、國和産業自慢の柿巻を一口サイズにスライスし、個包装にした「山柿庵やま柿」です。
干し柿を丸ごと使った大ぶりの柿巻は、召し上がる際に都度切り分けていただく必要があるため、お客様からはかねて「柿巻をスライスした商品を作ってほしい」との声が寄せられていたのだとか。このご要望を受けて、2001年から「やま柿」の製造がスタートし、翌2002年には、第24回全国菓子大博覧会にて、『名誉総裁賞（技術部門）』を受賞しました。そして2009年のブランド立ち上げを機に、自社ブランド名を冠した「山柿庵やま柿」を発売します。
干し柿本来の美味しさを、種やヘタなどを気にすることなく気軽に堪能できる柿巻、それが「山柿庵やま柿」の魅力です。
お茶菓子として召し上がるほかに、乳製品やお酒との相性が非常に良いため、チーズやバターなどと合わせてオードブルとして、また白ワインや梅酒、極甘口のデザートワインなどのお供としてもお楽しみいただけます。
一度食べれば「こんなに美味しいんだ」と驚く一品
「季節を問わずに干し柿を使ったお菓子が美味しく食べられる」と、柿巻が土産菓子として好評を博していた中、2001年に日本全国で「やま柿」の販売を開始すると、その手に取りやすさ、召し上がりやすさから一躍國和産業の看板とも言える大人気のロングセラー商品になりました。そして2009年発売の「山柿庵やま柿」は同社を代表する商品となっています。2021年には「山柿庵やま柿」の和の印象を強めた新パッケージを作ります。そして2024年1月、「山柿庵やま柿」は「日本の魅力伝える食体験」の優秀商品3品の中のひと品に選ばれました。これは農林水産省が、日本産農林水産物・食品の輸出拡大につなげる「食かけるプロジェクト」の一環として、外国人に向けて日本の地域の食文化・食体験の魅力を伝える商品を選定するものです。
干し柿や柿巻に馴染みのない外国の方には初めは「これは何？」と驚かれることも多いそうですが、一度召し上がれば「こんなに美味しいんだ」と新たな驚きの声が聞かれるといいます。
“柿のことなら國和産業” と言われるほど、干し柿の加工において優れた技術を持つ会社が手がける、日本が誇る伝統的なお菓子・柿巻を食べやすい一口サイズでぜひ一度味わってみませんか？
今回ご紹介した企業
國和産業 株式会社 （岡山県倉敷市）
くだもの王国とも言われる岡山県の倉敷市で創業した、お菓子の製造会社です。天然の干し柿を原料とした「柿巻」やそれを一口サイズにスライスした「山柿庵やま柿」、瀬戸内のくだものを使用したフルーツゼリーなどの製造販売を手がけています。安心安全へのこだわりの下、一つひとつ丁寧に作り上げたお菓子をお楽しみください。
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