株式会社 わたや (新潟県)

200年の歴史を持つ小千谷伝統の食文化「へぎそば」を全国に広めたい―新潟県・わたや

栄養豊富な海藻「ふのり」をそば粉に練り込んで作る新潟小千谷の伝統食「へぎそば」をご家庭でお楽しみいただけるよう、乾麺と冷凍パックに仕上げました。へぎそばならではの風味や香りと、ふのりの持つぬめり、そしてコシが強く弾力のある麺の食感を、自家製のおつゆと合わせてご堪能ください。

お祝いごとを彩る贅沢品として楽しまれてきた「へぎそば」

新潟県中央に位置し、雄大な信濃川が縦断する自然に恵まれた町、小千谷市。古くから稲作が盛んに行われ、また織物のまちとしてもその名を全国に知られており、大阪や江戸の商人たちが行き来する中で多様な文化が持ち込まれる、豊かな地域でした。

そんな小千谷の地に200年以上も前から食文化として根付き、人々に楽しまれてきたと言われているのが「へぎそば」です。
へぎそばとは、そば粉を水で捏ねて作る一般的なそばと異なり、そば粉に「ふのり」と呼ばれる海藻を煮たものを繋ぎとして練り込んだそばのこと。このそばを盛っておく大きな四角いせいろを「へぎ」と呼んだことから、へぎそばという名前がついたとされています。

江戸時代、小千谷の裕福な家庭では空いた土地と時間を利用してそばを育てて打ち、お祝いごとなどがあると客人に振る舞う風習があったのだとか。そして「あの家のおそばは美味しかった」とよい評判を得ようと、次第に人々はそば打ちの腕を競うようになっていったといいます。
こうして各家が創意工夫を重ねる中で目が向けられたのが、地元小千谷の名産として知られる麻織物「小千谷縮」の糸の糊付けに使われていた、ふのりです。このふのりを繋ぎとして使ったところ、とても喉ごしのよいそばができて評判になり、次第に広まっていきました。

100年の歴史を持つ老舗のへぎそば屋、わたや

お祝いごとを彩る贅沢品として長い間小千谷の地で愛されてきたへぎそばを、守り、次世代に伝えていこうと取り組んでいるお店が、大正10年開業の老舗、わたやです。

製麺工場を持っていた町の有力者から製麺機を引き継ぎ、そば屋を始めた わたや。当時「より美味しいへぎそばを作るために」と使用するふのりの量が増やされるにつれ、そばが固く人々が手打ちで作りづらいものになっていった中で、わたやは “へぎそばが手軽に楽しめる町の食堂” として地域で愛されました。
そして昭和45年、苗場スキー場にて上皇陛下(当時・皇太子殿下)ご一家にへぎそばを献上したことから、わたやとそのへぎそばは一躍全国的に有名な存在となったのです。

そんな わたやならではの美味しさの秘密は、ふのりとそば粉との配合にあるのだとか。一口に「そば粉にふのりを混ぜて打ったのがへぎそば」と言っても、お店によって味わいはさまざま。わたやは “喉ごし命” と強いこだわりを持ちながらも、そばのよい風味がなくなってしまわないように試行錯誤し、ふのりとそば粉の絶妙なバランスを実現しているのだといいます。

へぎそばの美味しさを知ってもらうための新たな挑戦

へぎそばの存在が広く知られるようになり多くのファンが生まれた一方、「こんなのはそばじゃない」「手打ちこそが究極のそばだ」とおっしゃる方も。そこで わたやは「そばとは全く異なる新しいカテゴリの食べ物として、その美味しさを知ってほしい」との思いで、全国のご家庭に美味しいへぎそばを届けるための工夫を始めました。

打ちたて・茹でたてから時間が経っても美味しく食べていただくために……と試行錯誤を重ね、まずは打ったへぎそばを乾燥させた乾麺タイプの商品を開発。乾麺ながら非常に喉ごしがよく、香りやふのりの持つぬめりがしっかりと残る美味しいへぎそばが誕生しました。賞味期限は製造から1年と長く、備蓄しておいていつでも気が向いた時に楽しんでいただけるのが魅力です。

さらにその後、「へぎそばはやっぱり生そばに限る」というお客様のお声を受け、新たな商品の開発がスタート。誕生したのが、「へぎそば 生そば冷凍パック」です。
冷蔵で4,5日しか日持ちしない生麺ですが、製麺後すぐにパッキングし冷凍することで9ヶ月もの間変わらぬ美味しさが保てるように。打ち立てを冷凍しているため、へぎそばならではの香りや風味もそのままご堪能いただけます。またふのりの粘りによって、解凍後も麺がポロポロと崩れることなく、しっかりとしたコシの強さや喉ごしが楽しめる点も嬉しいポイントです。

麺の弾力と、ツルツルとした喉ごしのよさが魅力

わたやのへぎそばは、麺のプリッとした弾力と、ツルツルとした喉ごしのよさが魅力。小さなお子様からご年配の方までどなたでも召し上がりやすく、「普通のそばはボソボソして苦手だったけれど、へぎそばなら美味しく食べられる」「子どももへぎそばは喜んで食べる」とおっしゃる方も多いのだとか。
乾麺や冷凍パックの提供がスタートしたことで、こうしたへぎそばならではの特徴が全国のお客様に知られ、ファンの輪も広がっているといいます。

へぎそばというと、やはりせいろ(へぎ)に一口ずつきれいに盛り、麺つゆにつけて天ぷらなどの薬味と合わせる食べ方が一般的ではありますが、これに囚われず、ぜひご家庭で大きなお皿に盛ってお好きなトッピングとお好きなおつゆで味わってみてください。きっと、そばでもうどんでもない新たな美味しさを知り、身近に感じていただけるはずです。

そしてその虜になってしまったら、実際に新潟・小千谷に足を運び、へぎそばを育んだ風土と出来たてならではの美味しさを堪能してみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した企業
株式会社 わたや (新潟県小千谷市)

大正10年の開業以来、ふのり(海藻)をそばの繋ぎとして用いた「へぎそば」を手がけてきました。お店で出来たての美味しさをお届けするのはもちろん、乾麺や冷凍パックなど、ご自宅でへぎそばの美味しさを味わっていただける商品の開発にも取り組んでいます。小千谷の風土が育んだ伝統の食文化を、ぜひお楽しみください。

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