「牧場直送」の鮮度が自慢!蔵王山麓で愛情たっぷり育てたブランド牛―山形県・高橋畜産
山形県のおいしい牛肉と言えば、高級黒毛和牛「米沢牛」や「山形牛」が有名。ご紹介する高橋畜産食肉は、それらに加え、自社ブランド「蔵王牛」に力を入れている精肉店です。蔵王山麓にあるこだわり尽くした5つの直営牧場は、澄んだ空気と清らかな水、冷涼な気候に恵まれていて、牛たちがのびのびと育っています。そんな最高鮮度で届けられる牧場直送牛の魅力を、探っていきましょう。
高橋畜産食肉のこだわりとは
高橋畜産食肉の最大の強みは、牛を自社牧場で愛情たっぷりに育てるところから、加工・販売までを行う一貫体制にあります。「慈しみを忘れず、愛情かけて牛に接する姿勢」は、創業当時から続く高橋畜産の哲学です。「生き物の命をいただいている」から、牛を育てる環境づくりにこだわることはもちろん、加工シーンでも、最後の一切れまで無駄なく大切に扱う姿勢が貫かれています。
オリジナルの食肉一貫生産体制
高橋畜産は、昭和23年に山形県で創業しました。戦後間もない当時の山形の農家では、牛と共に生きることが日常の風景だったといいます。そんな背景から高橋畜産では、創業当時から牛飼い兼精肉販売を行ってきました。現在でも牛への愛情を忘れず、命を大切に扱う精神が受け継がれ、強固な一貫生産体制を貫いています。
この体制の最大のメリットは、最高鮮度の牛肉をお客さまに届けられることです。牛肉は、空気に触れたり、時間が経過したりすると、ドリップが出て旨みがなくなります。高橋畜産では、屠畜場(牛を枝肉に加工する施設)のすぐ脇に、ビーフセンター(枝肉を各ブロックに加工する施設)を、ビーフセンターから車で20分弱ほどの所にミートファクトリー(ブロック肉を加工する施設)を配置。これにより、加工面でのタイムラグを大幅に削減でき、抜群の鮮度を保てています。
また、自社繁殖により牧場の環境整備から、育て方、飼料づくりに至るまで、こまかな部分のこだわりを積み重ねることによって、いつでも高品質な牛肉を食卓へ届けることができています。
おいしさの秘訣は、牛への深い愛情
高橋畜産は、人と同じように個性がある牛の肉のおいしさは、等級による格付けはもちろんのこと、肉や脂の「質」にあると考えています。高橋畜産が育て上げる牛肉は、どれも健康的なおいしさにあふれ、レストランのシェフや肉のバイヤーなど、プロから高い評価を得ています。
おいしい食肉作りの秘訣は、「牛に愛情をもって接すること」。繊細で一定の生活リズムを好む牛たちに「おはよう!」「おうおう」など声を掛けながら、午前8時30分と午後3時ちょうどに餌やりを行うのだそう。新しいおがくずを牛舎に敷いてあげて喜ぶ様子も、具合が悪くて目に力がなくなる様子も見逃さず、つぶさに観察し、スタッフ全員が「牛の言葉が分かるようになる」ことを目標にしています。
中でも、牛舎の衛生管理は大切な仕事の1つ。特に新陳代謝がよい若い牛がいる牛舎は、汚れやすく、小まめな清掃が不可欠です。16畳ほどの広さがある牛舎は、毎日1マスずつ掃除するのがやっとの重労働ですが、おいしい食肉作りのために、精一杯励んでいます。
研究を重ねたオリジナルの飼料
健康的な飼料作りも、おいしい肉づくりには欠かせません。トウモロコシや大麦、ふすまなどを主原料に、抗生物質やホルモン剤を一切使用しないオリジナルの飼料を与えています。
スタッフみんなで近隣から高品質な稲わらを集めたり、地元で出るビール粕や酒粕、ウイスキー粕、おからなどの未利用資源を利用したりするなど、飼料の国産化に力を入れています。
「藁集めは規模が大きくなるほど大変な作業になるので、なかなか実践するところが少ないです。ですが、自分たちで集めると、品質的に良い牧草や藁を牛に安心して食べさせられるんです。自社で育てた牧草には、化学薬品や化学肥料、除草剤を一切使用せず、有機堆肥で作っています」と蔵王高原牧場の白石農場長・佐藤さんはいいます。すべては、安全で、食べてくれる人が安心できるお肉を作るためです。
さらに高橋畜産では、仔牛の段階から消化負担が少ない「発酵飼料」を与えることで、脂肪がつきにくい体質づくりをしています。発酵飼料には、必須アミノ酸の量を増やし、免疫力を高める効果も。健康的な仔牛に育てることで、牛本来の赤身の旨さ、野性味あふれる味わいが生まれるのだそう。
小まめな衛生管理や、安全性に配慮した飼料づくりが認められ、国際的に承認された衛生管理法である「農場HACCP」を約3年かけて全牧場で取得。また、蔵王ファーム山形蔵王牧場では、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる「JGAP」を取得しています。
精肉の技術と世界基準の管理力
高橋畜産の食肉加工を担うのは、熟練の職人たち。自社基準である5段階のマイスター制度を導入し、目利き力・カット技術の向上を目指しています。
ブロック肉の加工場(ビーフセンター)ではISO22000を取得。加工中の肉の温度を適切に管理するなど、国際基準の安全性を確保しながら、鮮度を保つスピーディーな作業が行われています。
そして、スライスされた肉の鮮度と旨みを最高の状態で閉じ込めるのが、プロトン凍結です。電磁波と磁石を利用し、細胞を壊さずに瞬時に凍結。これにより、冷凍発送でも「牧場鮮度」のおいしさをお客さまのもとへ届けられます。
高橋畜産が扱うブランド牛「蔵王牛」「米沢牛」「山形牛」
高橋畜産オリジナル「蔵王牛」―高橋畜産の誇りをかけた逸品
ホルスタインと黒毛和種の掛け合わせである「蔵王牛」は、交雑種ながら、高橋畜産が長年の研究と技術力の向上の末に生み出した自慢の国産牛です。米沢牛や山形牛などの黒毛和牛に比べ、お手頃な価格が魅力で、牧場の環境や飼料づくりにこだわった最高品質の交雑種です。「うちの蔵王牛は、一般的な交雑種に比べ乳臭さがなく、肉本来の旨みをストレートに味わえます。胃もたれしないから、いくらでも食べられますよ。」と佐藤農場長。抗生物質等に頼らず、極めて自然に近い飼料で育っているから、赤身肉は野性味に溢れ、肉本来の旨みが楽しめます。またヘルシーな脂身は、すっきりした食感であと引く美味しさです。胃もたれを気にせず、肉をたくさん食べたい方におすすめです。
年間1900頭弱しか出ない希少な「蔵王牛」は、肉の味をしっかりと味わえる、食味の良さから、今や肉好きの間で知られる存在となっています。
米沢牛―神戸牛、松阪牛に並ぶ日本屈指の名牛
日本3大和牛の1つといわれる、日本を代表する黒毛和牛です。認定基準が厳しく、山形でも置賜三市五町の地域内で育った未経産の雌牛に限定されています。きめの細かな脂には、甘みや旨みがあり、山形牛に比べ、口に入れた途端とろけるような、しっとりとした肉質が特徴です。
山形牛―山形の気候に育まれた、繊細な味わい
夏冬、昼夜の寒暖の差が激しい山形の気候に育まれた黒毛和種。通常の黒毛和牛の肥育期間は、25ヶ月程度ですが、山形牛は30ヶ月以上もかけて丁寧に育てられるのが特徴です。夏の暑さに耐え、厳しい冬を乗り超えながら、じっくりときめ細かなサシが入った上質な肉を蓄えていきます。
高橋畜産スタッフのイチオシ!
高橋畜産のブランド牛は、できるだけ中間業者を通さず、独自ルートで販売しています。
自社ホームページや産直お取り寄せ「ニッポンセレクト」のオンライン通販のほか、実店舗では、山形県内にある直営店「元気市場高橋(上町店・銅町店)」などで、購入できます。
社内で食品の安全管理を行うスタッフ・志藤さんのおすすめは、赤身とサシのバランスがよい「蔵王牛のロースステーキ」。
蔵王高原牧場の佐藤農場長のおすすめは、「蔵王牛の焼き肉」。塩・コショウでシンプルに食べれば、肉本来の旨みが直球ストレートに味わえるのだそう。
「米沢牛」や「山形牛」などの高級黒毛和牛から、赤身肉の旨み際立つ「蔵王牛」まで、健康的なおいしさあふれる高橋畜産の牛肉を、ぜひご賞味ください。
今回ご紹介した企業
高橋畜産食肉株式会社
山形県にて、昭和23年に創業。翌年には「おいしくて、笑顔あふれる、そんなお肉をたくさん食べてもらいたい」という思いを大切に、高橋牛肉店」を開店。戦後復興とともに広がった食肉文化とともに事業を発展させました。独自の食肉一貫生産体制を強みに、鮮度抜群の牛肉を食卓へ届けています。長年の研究と技術力の向上から生まれた自社ブランド「蔵王牛」は、高橋畜産の誇りをかけた逸品です!
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