住宅価格は上昇加速。オフィス空室率は上昇一服も賃料下落が継続-不動産クォータリー・レビュー2021年第4四半期

■要旨
 
2021年10-12月期の実質GDP(2/15公表予定)は、前期比+1.4%(前期比年率+5.6%)と2四半期ぶりのプラス成長になったと推計される。住宅市場では、価格が騰勢を強めるなか、販売状況は底堅く推移している。2021年10-12月期の新設住宅着工戸数は前年同期比+6.1%増加、首都圏のマンション新規発売戸数は+4.8%増加、中古マンションの成約件数は▲0.5%減少した。地価は緩やかな回復傾向にあるが、一部の商業地では下落している。
 
オフィス賃貸市場は、東京Aクラスビルの成約賃料が前年同期比▲11.5%となり、2014年第4四半期の水準まで下落した。東京23区のマンション賃料は、ピークアウト感がみられる。ホテルについては2021年10-12月累計の延べ宿泊者数がコロナ禍以前の2019年対比で▲26.7%となり、減少率が縮小した。物流賃貸市場は、首都圏・近畿圏ともに需給環境は良好である。
 
2021年第4四半期の東証REIT指数は▲0.3%の下落となった。
 ■目次
1. 経済動向と住宅市場
2. 地価動向
3. 不動産サブセクターの動向
(1) オフィス
(2) 賃貸マンション
(3) 商業施設・ホテル・物流施設
4. J -REIT(不動産投信)市場国内経済は、2021年に入り一進一退の動きとなっている。2月15日に公表予定の2021年10-12月期の実質GDPは、前期比+1.4%(前期比年率+5.6%)と2四半期ぶりの大幅なプラス成長になったと推計される1。2021年9月末の緊急事態宣言の解除を受けて、外食、宿泊などの対面型サービス消費が高い伸びとなったことに加え、供給制約の緩和に伴う自動車販売の増加などから、民間消費が成長を牽引した。なお、2022年1-3月期もプラス成長を予想するが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、民間消費が再び減少に転じる可能性が高く、部品不足や工場の操業停止など供給制約による下押し圧力も再び高まっている。
経済産業省によると、2021年10-12 月期の鉱工業生産指数は前期比+1.0%と2四半期ぶりの増産となった(図表-1)。 業種別には、自動車が前期比+12.0%と高い伸びとなったが、半導体不足の影響が残る情報通信機械が同▲4.2%と2四半期連続のマイナスとなったほか、電子部品
情報元サイト:「株式会社ニッセイ基礎研究所」
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