株式会社 竹中銅器 (富山県)
鶴・亀をあしらった「錫箸置き」で、日常のささやかな楽しみやお祝いに花を添える
不老長寿の意味を持ち古くから縁起のよいものとして使われてきた、鶴・亀のモチーフをあしらった箸置きです。原料には錫を使用しているため抗菌作用があり、またその柔らかさから自在に形をアレンジしていただけます。テーブルコーディネートのアクセントとして、また日常のちょっとしたお祝いを演出するアイテムとしてお楽しみください。
400年の歴史を持つ伝統工芸「高岡銅器」の担い手として、富山県高岡市にて創業
今から400年ほど前、当時越中・加賀一体を治めていた前田氏が高岡城を築くにあたり、城下の繁栄をはかるべく7名の鋳物職人を招き、現在の高岡市金屋町に鋳物工場を開設しました。以来脈々と受け継がれる伝統工芸「高岡銅器」の始まりです。
大名に献上するための美術工芸品から、後に鍋や釜といった日用品、仏具、花器などの形で一般家庭にも広まりながら発達。ロンドンやパリで行われた博覧会への出品を機に、その美術的な価値は海外にも広まっていったといいます。
現在では銅器づくりで国内シェア90%以上を占める、鋳造の町です。名称の中に「銅器」とありますが、真鍮や青銅といった銅合金以外にもアルミ合金・錫・鉄・金・銀などの金属も使われるといいます。
そんな伝統工芸・高岡銅器の担い手として高岡市に誕生した企業が、竹中銅器の前身、竹中製作所です。1927年の創業以来、大型ブロンズ像や銅像、胸像などを手がけて、着実に事業規模を拡大してきたのだそうです。
「創業80年を迎えた2007年、これまでの伝統を受け継ぎながらも新たな可能性を見出すために銅器部門を分社化。“竹中銅器” として新たなスタートを切りました。現在は、高岡銅器をはじめとした金工品の企画販売を専門に行っております」と話すのは、竹中銅器の喜多さんです。
「それぞれに特長や独自の製法を持つ、多種多様な鋳造工場や職人さんとお付き合いさせていただいており、お客様のニーズに合わせた物創りができるのが当社の強みです。伝統工芸を次世代につなげていく役割として、さらなる “新たな創造” にも挑戦しようと取り組んでいます」
伝統技術の懐の深さを活かしながら、伝統とは発想を異にする物創りを
「銅合金をはじめとした金属とその鋳造技術が内包する価値や魅力を、社会にマッチングしていきたいという思いを常に持っています」と話す、喜多さん。
そんな思いから生まれる “新たな創造” への挑戦として、竹中銅器では現代の生活様式や住空間にも調和する商品開発に取り組んできたのだとか。銅像や仏具といった限られた用途のみにとどまらず、酒器や食器などのテーブルウェア、アクセサリーなど多様な商品が誕生しています。
「伝統技術の懐の深さを活かしながら、伝統工芸とは発想を異にする物創りを行うことが私たちの使命です。銅器や鋳物はまだまだ知られていない部分がありますから、現代に合う形で私たちが発信して。そこで初めて手に取ってくださった方々が、私たちとは全く異なる感覚で伝統技術の新たな魅力を捉えてくださる、そんな可能性を信じたいですね」
OMOTENASHI Selection 2021で見事金賞に輝いた「錫箸置き」
今回ご紹介するのは、日常生活に溶け込むアイテムとして生まれた「錫箸置き」です。
「“現代の生活様式や住空間に調和する” という観点から、置物として鑑賞するだけでなく普段使いしていただけるようなものとしてお箸を選びました。お祝いの場というと “食” が付き物ですから、そういった食事の席を華やかにし意味づけるような、よりその場にいる方の気分が上がるようなアイテムとして使っていただけます」
デザインには美術工芸品によく登場する縁起物、鶴と亀のモチーフをあしらい、材質はテーブルウェアに適した純度の高い錫を採用。錫ならではの柔らかさで、鶴の翼などを折り曲げて華やかさを演出することもできます。
社内やお取引先からの好評を得て、販売を開始。お客様からは敬老記念品などとしてご注文をいただくようになり、またふるさと納税の返礼品にも選ばれたのだとか。
「たくさんの方にご好評いただけたことを励みに、日本のおもてなし精神から生まれた製品やサービスを発掘する “OMOTENASHI Selection 2021” にも出品。モチーフやデザインとしても、金属を曲げてアレンジできるという意匠としても美しいとのご評価をいただき、おかげさまで金賞を受賞することができました」
伝統技術の新しい形を、ささやかな喜びの表現として楽しんでほしい
夫婦円満の象徴である夫婦鶴や、不老長寿を意味する鶴・亀、日本ならではの「向い」の文様など特別な意味を持つ箸置きではありますが、ぜひ “ささやかな楽しみやお祝い” として使ってほしいと喜多さんは話します。
「大きなお祝いや記念ではなくとも、日常の中で “ちょっとしたいいことがあったから、今日の食事はこれでいただこう” “少し気分を上げるために、今日はテーブルコーディネートを楽しもう” と。伝統技術という枠にとらわれず、カジュアルに楽しんでいただけたら嬉しいですね。また贈りものとしても大げさな物ではありませんから、気を遣わずに互いにおめでとうと言い合えるような瞬間が生まれれば幸いです」
新型コロナウイルス感染拡大下で、お家で過ごす時間が長くなる今。少し窮屈さを感じてしまいそうになる日常の中で、ささやかな楽しみや “おめでとう” を演出するアイテムとして選んでみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した企業
株式会社 竹中銅器 (富山県高岡市)
高岡市の伝統産業の一つである「高岡銅器」の担い手として、1927年に創業。現在は高岡銅器を中心とした金工品の企画・販売を手がけております。地域に根差す企業としてさまざまなニーズに応えながら、お客様の目線で、お客様の立場に立った物創りを行ってきました。銅像や茶道・華道具、仏具といった限られた用途だけでなく、現代の皆さまの生活様式や住空間にも調和する新たな商品作りにも取り組みながら、今後も金工品と伝統の鋳造技術の魅力を伝えてまいります。
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