ラグジュアリーホテルとは何か(前編)-海外のホテル格付けと外資系ホテルのブランドについて

「日本には高級ホテルが足りない。だから、ラグジュアリーホテルを作ろう」と言われ始めて久しい。高い格付けのホテルは、格付けがない場合に比べて、宿泊料の上昇と価値の上昇の恩恵を受けるであろうことは容易に想像できる。しかし、改めて考えてみると、ラグジュアリーホテルとは何だろうか。また誰が決めているのだろうか。
前編では、海外の格付けとホテル独自の格付けについてまとめたい。一般的に、ホテルの格付けには星を用い、国、民間機関、業界団体などが独自の基準で審査し、概ね次のような等級を付与している。
 
・ 5つ星: ラグジュアリーホテル (最高級ホテル)
・ 4つ星: アップスケールホテル (高級ホテル)
・ 3つ星: ミッドプライスホテル (中間級ホテル)
・ 2つ星: エコノミーホテル   (廉価ホテル)
・ 1つ星: バジェットホテル   (格安ホテル)
 
つまり、ラグジュアリーホテル(5つ星)とは、ホテル格付けの中で最高の等級である。各国、各民間機関のホテル格付けの例を図表1にまとめてみた。日本国内では多くの人が、星は勝手に与えられ、大半の施設は持たないものと認識していると思うが、実は、海外の多くの格付けシステムでは、審査を経て、いずれかの等級を得ることができる。
フランスでは、1~5の星とパラス(宮殿級)の6等級を用いる。1~5の星は申請し、施設設備、サービスなどの評価基準に沿って与えられる等級で、パラスは別の審査を経て与えられる称号である。また、2021年にはフランス政府観光局の格付けと異なる星をアルゴリズムで評定したGoogleが、110万ユーロの罰金を支払うこととなった。これに伴ってGoogleは、Googleマップなどで表示されるホテルの評価を、フランス政府観光局の星と一致させた。
 
米国では民間機関による格付けが多数存在し、評価基準も異なる。日本においては、世界中でホテルレーティングを行うフォーブス・トラベルガイド(推奨、4つ星、5つ星の3等級)が知られている。米国内で最も有名なものはアメリカ自動車協会(AAA)のダイヤモンド・アワード(1ダイヤモンド~5ダイヤモンドの5等級)で、米国、カナダ、メキシコ、カリブ海のホテルを網羅している。
 
中国ではホテル評価基準(星級評価)は1988年に導入された。やはり1~5つ星の5等級で格付けてお
情報元サイト:「株式会社ニッセイ基礎研究所」
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