公開研究会・シリーズ「鴨志田祐美の弁護士放浪記」第3回レポート【犯罪学研究センター共催】

龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)は、刑事司法・刑事弁護をテーマに、2022年8月22日、公開研究会・シリーズ「鴨志田祐美の弁護士放浪記」をオンラインで共催しました。本企画には60名が参加しました。進行は、石塚伸一教授(法学部/犯罪学研究センター)がつとめました。
本企画は、大崎事件再審弁護団事務局長、日本弁護士連合会「再審法改正に関する特別部会」部会長をつとめる、鴨志田祐美弁護士(京都弁護士会)によるものです。
【イベント情報:https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-10860.html】

鴨志田祐美弁護士(京都弁護士会)
はじめに
第3回のテーマは、「非法律的スキル」~弁護団のマネージメント、マスコミ戦略~です。はじめに石塚教授より「日本の再審弁護はこれまで、職人気質の人たちが全身全霊をかけて行ってきました。旧刑訴法で裁判が行われた死刑無罪4事件もそうです。こうした弁護を担ってきた世代が高齢になり、世代交代が必要でした。そして司法改革によって再審弁護、刑事弁護には現代化が必要になりました。今は裁判官だけでなく、一般の人たちにも理解してもらえる立証をするという課題もあります。その中で鴨志田先生の大崎事件におけるマネージメント能力、社会への訴求力は非常に高く評価されています。今回、現代型の再審裁判についてお話いただく良い機会になると思います」という企画趣旨が述べられ、講演が始まりました。
大崎事件における新しい証拠
前回は、1975年10月15日に鹿児島県大崎町で原口アヤ子さんの義弟(仮名:四郎)が、自宅横の牛小屋の堆肥の中から遺体で発見された「大崎事件」の概要と再審弁護についての報告でした(詳しくは前回のレポートをご参照ください)。今回は、大崎事件における「非法律的スキル」のお話です。
本件の第4次再審請求では、旧来型の弁護団ではできなかった新しいタイプの証拠をつくりました。まず周防正行監督の協力を得て、被害者の四郎さんが道路に寝そべっているところから、近隣のIさんとTさんがトラックの荷台に放り込んで家に帰るという実写再現動画をつくりました。つぎに四郎さんの当時の自宅は既に取り壊されているため、四郎さんが自宅に着いてから家に運び込まれる場面について、IさんとTさんの供述に基づいた3DCG
情報元サイト:「龍谷大学」
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