株式会社 布施商店 (宮城県)

ほのかな桜色が特徴の独自ブランド・さくら真鱈の「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」―宮城・布施商店

三陸産の真鱈のなかでも独自の管理基準をクリアしたものを「さくら真鱈」とし、家庭でもおいしいフライがつくれるように加工した「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」。素材を活かしたレシピにより、一度食べるとその違いに驚く人が多いそう。手軽にフライを食べたいときや自宅でちょっと贅沢をしたいときにおすすめです。

110年以上、水産加工業を営む「布施商店」と石巻の今

布施商店は1912年(大正元年)創業の水産加工業者。石巻で水揚げされた魚介類が集まる市場で買い付けができる仲買いの権利を持ち、自らの目利きで仕入れた食材の加工から販売までを一貫して手がけています。これまでは事業者向けの商品を展開してきましたが、「会社としてレベルを上げていかなければ生き残れない」との思いから、2019年頃から一般消費者向けの商品づくりを開始。新しいチャレンジにも力を注いでいる老舗です。

近年の水産業は、海洋資源の枯渇や変化などが話題に上ることも。
「石巻だけの問題ではありませんが、残念ながら水産業はあまり盛り上がっていないです。最近、問題視されている水産資源の減少については、データはもちろん市場に並ぶ魚介類を実際に見ても感じています。一方で震災から10年以上経った今、石巻では若い世代が活躍するようになってきました」と話すのは、布施商店代表の布施太一さん。

石巻では、仲買人の青年部が4年ほど前に立ち上がり、ここ1、2年で世代交代が一気に進んだそう。SDGsの観点から海洋資源について考える企業も増え、新しい取り組みが積極的に推し進められています。

原料は自社の独自基準をクリアした三陸産の「さくら真鱈」

「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」の原料となる真鱈は、布施商店独自の基準をクリアしたものだけ。それを「さくら真鱈」という自社ブランドとして展開しています。白身魚ではあるものの、新鮮な真鱈の身はほんのりさくら色をしている特徴からその名が付けられました。

「さくら真鱈」には5つの管理基準があります。
1つ目はさくら色の透明感があること。
2つ目は水揚げ後の処理を迅速に行うこと。真鱈は内臓から身が腐食していくため、いち早くこの処理を施すことが重要なためです。実際に、「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」の原料は刺身で食べられるほど新鮮だそう。
3つ目は包丁で仕立てること。機械で処理する場合、魚に大量の水を当てることになり、その水を魚が吸ってしまうそう。すると、その魚がもつ旨味や風味、食感が損なわれることも。そのため機械を使わずに、職人が包丁でひとつ一つ丁寧に処理しています。しかも、小さな子どもも食べやすいように骨がない状態に仕上げているのもポイントです。
4つ目は地元・三陸産であること。
最後に、1kg以上の魚体であること。幼魚と言われる子どもの魚を捕ると、次の世代の子どもが生まれなくなってしまいます。加工業者でありながら資源管理という視点を踏まえてこの基準を設けています。しかも、1kg以上になると身の弾力や旨味など真鱈本来の味わいを楽しむことができます。

フレンチのシェフと開発したフライは県の品評会で賞を受賞

同社のブランド商品「さくら真鱈」を使った「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」は2021年から販売された新しい商品です。

「真鱈は私自身が好きな魚です。そして、弊社で一番取り扱いが多い魚種であり、得意としているというのがスタートです。とはいえ、弊社では商品開発をした実績がなかったので、食のプロであるシェフに監修していただき開発に取り組みました」と布施さん。

家庭の調理環境で誰がつくってもおいしくできるように、揚げ時間や温度の設定、魚の大きさ、厚さなどを変えて何度も試作したり、シェフにアドバイスをもらったり試行錯誤が続いたそう。原料のさくら真鱈だけでなく、サクサク感を楽しめるようにパン粉は生パン粉を採用したり、3D凍結機という特殊な凍結機を使って急速冷凍するなど、こだわりは細部にまで至ります。

その結果、販売から間もないものの「宮城県水産加工品品評会」で宮城県漁業協同組合代表理事組合長賞を受賞。地元・石巻産の食材にこだわっていること、そして骨がなく食べやすく加工されている点が評価されたそうです。揚げ物が苦手でも、油の温度と揚げ時間さえ守ればレストランに劣らない本格的なフライに仕上げることができるのが特徴です。

さくら真鱈の味わいを存分に楽しむため、まずはそのままで

「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」の調理は、160度の油で3分半〜4分揚げるだけ。表面はサクサク、中はフワっとジューシーに仕上がります。塩味が付いているので、まずは何も付けずにそのまま食べるのがおすすめ。さくら真鱈本来の味わいを感じることができます。

「素材が活きるレシピにしています。もし味変を楽しみたいなら、私は醤油をおすすめします。魚にはやっぱり醤油がよく合うんですよね。冷めても臭みがなくおいしさが保たれるので、お弁当やサンドイッチの具にしていただくのも良いと思います」

少し前には、地元で開催されたお祭りに出店し好評を得たそう。
「すごく反応が良くて。『どこで買えるの?』と聞いてくださるお客さまもいらっしゃいました。ECサイトのリピーターさんからは『白身魚フライの概念が変わった』というコメントをいただきました。白身魚のフライではなく、真鱈、しかもさくら真鱈のフライという新しい価値のある商品として今後も発信していきたいです」と布施さん。

家庭で揚げ物というとハードルが高いと感じられる方が多いかもしれません。それでも、わざわざお取り寄せするくらいおいしいものであれば、「揚げ物をしよう!」という気分になるのではないかと布施さん。家族のお祝いごとやホームパーティーなど「ちょっとおいしいものを食べたい」というシチュエーションのときに活躍してくれる逸品と言えそうです。

今回ご紹介した企業
株式会社 布施商店 (宮城県石巻市)

水産加工を手がける「布施商店」は1912年(大正元年)創業の老舗。2019年頃に開発に着手、フレンチのシェフの監修の下でつくり上げたのが「布施商店 三陸産さくら真鱈フライ」です。職人の繊細な手仕事や確かな目利きなど、長い年月をかけて培ってきた技術やノウハウが、新しい商品づくりを支えています。

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