株式会社 山田家物流 (香川県)
お客様に喜んでいただくために経験とデータを総動員―うどん本陣山田家 讃岐うどん
香川県高松市の「株式会社 山田家物流」は、讃岐うどんの名店「うどん本陣山田家」の関連会社。「うどん本陣山田家 讃岐うどん」は、お店の哲学はそのままに家庭で楽しめるよう工夫されたうどんです。冷凍の個食タイプは、麺の太さからつゆに至るまで忠実に再現されたお店の味がレンジするだけで楽しめます。
「お客様を喜ばせたい」という思いから生まれた個食タイプ
「株式会社 山田家物流」の本家「うどん本陣山田家」は、日本最初のネットショップを始めたことで一部にはよく知られています。アメリカでインターネットを使った通信販売があるらしいと聞きつけて、会長がチャレンジしてみようと決めたのが1995年。当時はメールで注文を受けるスタイルでした。
販売していたのは、手土産や冷凍のうどん・ギフトセットなど。商品化されていたのはお客様の要望があったためですが、もう1つ社内での理由があります。当時は水不足がひどい年には、お店をお休みしなくてはならないことがありました。しかし職人さんの生活を守るため、休むわけにはいきません。そこでその間は冷凍用の麺を打ってもらったのです。
そして常温で日持ちする手土産のうどんは、瀬戸大橋の開通から一気に広がり讃岐うどんの知名度は高まりました。その後、全国的に冷凍讃岐うどんの人気が高まります。手土産のうどんから冷凍のうどんへ。それにも理由があります。
手土産用のうどんは、家庭の火力でも茹でられるようにお店より少し細めにしてあります。しかし冷凍タイプは、いったん大きな釜で湯がき上げてから冷凍します。そのため細くする必要がなく、讃岐本来の太さそのままなのです。
つゆもそれに合わせて、それまで以上にこだわってお店の味をそのまま再現するように研究開発を重ねました。そしてお客様を喜ばせたいという会長の気持ちから、具材を付け足すようになりました。こうしてほかのお店と全く違う、麺とつゆだけでなく具材入りの商品が誕生したのです。
ハレの日のごちそうを、お店でも自宅でも
お客様を喜ばせたいという気持ちは、あらゆる点に現れています。うどんはもともとハレの日の食べ物。正月や来客のあったときのほか、農作業が終わったころに豊作を願って食べられたごちそうでした。
山田家の実店舗は、約800坪の広大な敷地の登録有形文化財です。お腹を満たすためだけでなく、雰囲気など空間も味わって満足していただきたいと考えています。お客さまにごちそうとしてのうどんを食べていただきたいという気持ちからです。
讃岐うどんと言うと、セルフ方式のイメージが定着しています。しかし実は30年ほど前まではセルフのお店は探さないとありませんでした。フルサービスの一般店がふつうだったのです。セルフ店が広がったのは、讃岐うどんブームの火付け役となった書籍の影響です。市街地から離れた製麺所で、近所の方が丼を持って行って軒先でいただくようなお店を数多く紹介したことによります。
ただ経営面から考えた場合、セルフで単価を下げているとどこかで手を抜かざるを得なくなります。中には、麺は自家製でも出汁は市販のものを使っているお店もあります。しかし人気が上がっているお店は味の手抜きはありません。フルサービスによるお店も増えています。
同店は安売りをしない代わりに、満足していただける高品質のサービスを提供しています。冷凍うどんも同じ考えでお店の本格的な味を再現しています。そのため全国発送でも、味にこだわりのある方が購入なさっているそうです。
隅々まで行き届いた飽くなき麺づくりへのこだわり
お店の麺は昔ながらの足踏みと手打ちで作っていますが、手土産用・冷凍品は保存などもあるため衛生面を考慮し機械化された工場で製造しています。しかし隅々までかなり驚きのこだわりを持って作られています。
まず原料です。使用するのは、製粉メーカーの支えもあってできあがる「わがまますぎる粉」。こだわりは小麦の品種選びから始まります。高品質ですが少量しか作られていない希少品種を指定して買い付けているため、その品種は市場にはほとんど出回らず幻の品種のようになっているほどです。
さらに小麦粉を挽くとき「小麦をどれぐらい削って挽くのか」にもこだわっています。小麦粉は削る度合によって風味が変わります。日本酒の吟醸や大吟醸と同じです。かなり贅沢に、中心部のみを使用しています。
そして製麺加工も。どんな麺が作りたいのかという思いを機械メーカーに伝えて、オーダーメイドの特注で作った機械を使用しています。
製麺の過程にもこだわっています。麺のコシは弾力を産む成分「グルテン」形成がカギです。手打ちなら手や足の感触でわかる麺の状態も、機械ではわかりづらくなります。しかも保存のためには手で触れるのは厳禁です。そのため研究を重ね、熟成の時間を長く取って粉に水がしっかり親和してなじむように熟成。それを2回繰り返します。そうしてコシのある麺にしています。
さらに家庭用の生麺「純生」では保存性のために酒や酢・水あめを使用しているのですが、その酒や酢もオーダーメイドです。そんなところまで特注品を使うとは、初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
すべてはお客様に喜んでいただくために
つゆも家庭で再現できるように、個食タイプではお店と全く同じ出汁をそのまま凍らせています。味のブレがないように分量や時間を測るのはもちろん、日によって細かく調整して煮干しや削り節・昆布から取った出汁です。
具材もかなり時間をかけて調理したものを急速冷凍させています。たとえばカレーうどんのベースとなるすじ肉は国内産の牛すじ肉を2時間コトコト煮込んだものです。きつねうどんの油揚げも、箸で切れるほど柔らかくふわっとした歯応えになるまで1時間半以上煮込まれています。
レンジがあれば火を使うことなく、そこまでこだわった本格的な讃岐うどんが楽しめます。これは家に熱源となる調理器具がないケースが増えていることへの対応です。年配の方やお子様も安心して讃岐の味が楽しめます。
製麺会社と飲食店の実店舗の両方を自社でやっているところはほとんどありません。それが山田家・山田家物流の強みです。そしてお店の経験の蓄積と、さまざまなデータを計測した科学的な根拠との両方がそろっているのも長所となっています。
さらに製粉会社や機械メーカーとの協力関係も、なかなかほかの店には真似できないのではないでしょうか。
これらすべての背景には、たくさんの方に安全で美味しいものを食べていただきたいという強い思いがあります。こだわりにこだわり抜いた山田家のうどんを、ぜひご家庭でもお楽しみください。
今回ご紹介した企業
株式会社 山田家物流 (香川県高松市)
香川県の讃岐うどんの名店「うどん本陣山田家」の関連会社として、ギフトなど製麺事業を主に展開しています。ブランド名を使った商品の開発を手掛け、手土産のうどんから冷凍うどんやレンジで食べられる個食鍋などを販売。お客様に喜んでいただきたいというお店の哲学を忠実に受け継いだ商品作りを続けています。
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