牧場直送「尾花沢牛」と山形県産黒毛和牛の最高峰「雪降り和牛 尾花沢」―山形県・金鶴

おいしい肉を求めるとき、A5ランクなどの格付けで判断していませんか?A5ランクと言えば、和牛のおいしさをはかる最高尺度というイメージがありますが、プロの目利きは、血統や雌雄、経産か未経産かなど、格付けとは違う角度から肉のおいしさを見極めます。
ご紹介する「尾花沢牛」と「雪降り和牛 尾花沢」は、格付けだけでは表せない「食べておいしい」をコンセプトに作られたブランド。知名度は低めながらも、銀座にある大手百貨店の定番商品に選ばれています。そんな尾花沢牛の繁殖から販売までを一貫して行う専門店・金鶴に、そのおいしさの秘密を伺いました。

尾花沢牛専門店・金鶴のこだわりとは

山形県の黒毛和牛を代表する米沢牛や山形牛に続き、近年人気が上昇しているのが尾花沢牛。料理人や精肉業者などプロからの評価が高く、知る人ぞ知る次世代ブランド牛として注目を集めています。

金鶴は、そんな尾花沢牛の繁殖から販売までを行う専門店です。「尾花沢牛」やワンランク上の「雪降り和牛 尾花沢」の魅力を、精肉販売をはじめ、加工品や自社の焼肉ハウス「金鶴」で発信しています。

尾花沢牛のふるさとから、「食べておいしい」肉の魅力を発信!

金鶴_尾花沢牛のふるさとから、「食べておいしい」肉の魅力を発信!

金鶴は、1974年に山形県尾花沢市で、50頭規模の畜産農家として創業しました。当時から尾花沢地域で育つ牛は、「山形県の中でも特においしい!」と市場での人気が高かったものの、尾花沢牛という名前は、知られていない存在でした。

そこで、金鶴を含む畜産農家・農協・役所が合同で、尾花沢牛のブランディングを開始。尾花沢牛のふるさとから、「食べておいしい」を基本コンセプトに、その魅力を発信しました。

徐々に注文が入るようになりましたが、問題は、この地域には肝心の尾花沢牛の販売店がなく、対応ができなかったこと。これまで、上質な牛は東京へ出荷され、地元の精肉店では鶏肉や豚肉を中心に販売してきたためです。

尾花沢牛を扱う店舗の必要性を誰もが感じていましたが、成功する保証はありません。多くの人が二の足を踏む中、「誰かがやらねば、尾花沢牛を世に広めることができない。それに、大切に育てた牛を生産者自らが売れたら、農家の厳しい経営を変えることができるかもしれない!」と、販売を決意したのが、金鶴の浅井代表でした。

これまで市場で尾花沢の牛を購入していたお客さまを中心に、販売を徐々に拡大。地域で行ったPRとの相乗効果もあり、「尾花沢牛」の名とそのおいしさが知られるようになりました。いまでは、都内の百貨店やプロの料理人から指名買いされるほどの、実力派ブランド牛になっています。

子育てと同様に、愛情をもって牛に接する

金鶴_子育てと同様に、愛情をもって牛に接する

生産者でもある浅井代表は、「子育てと同様に、愛情をもって牛に接すること」を信条としています。おいしい肉を作るためには、牛に極力ストレスを与えないように育てることが不可欠だからです。この思いは社内でも徹底され、牧場ではスタッフ一同、愛情たっぷりのスキンシップをとり、体調を崩している牛を早期に発見できるよう心掛けています。

「体調が悪い時、もの言えぬ牛の代わりに、早めに気付けるかどうか。それが肥育のプロです。糞の状況や牛の立ち格好、歩き具合などで判断し、早めに処置をします。こうした日々の判断が、肉質のよさにつながるのです」と浅井代表は話します。

じっくりと時間をかけて、肉本来の味を育てる

金鶴_子育てと同様に、愛情をもって牛に接する

じっくりと時間をかけて育てる長期肥育も、浅井代表のこだわりの1つです。一般的に「大きくなったら出荷」という畜産農家が多いですが、実は、これ以上大きくならないほど個体が育ちきったところから数カ月の間に、オレイン酸などの体内のうま味成分が増えるといわれています。オリーブオイルにも多く含まれるオレイン酸は、ヘルシーで風味がよく、後味はさっぱり。おいしい和牛の基準の1つとして注目されています。

近年、餌や仔牛の価格が高騰し、全国的にはコスト削減のため、肥育期間を短くする流れもある中、尾花沢の生産者たちは「食べておいしい」にこだわり、長期肥育を貫いています。

「肥育期間を長くすることは、餌などの費用や病気のリスクが増え、農家の負担増につながります。経営上、判断が難しいところもありますが、おいしい尾花沢牛を育てるため、また尾花沢牛ブランドの生き残りをかけ、今、取り組んでいかなければいけない課題と考えています」

金鶴では、肥育期間に厳格な決まりがある「雪降り和牛 尾花沢」でさえも、その基準である月齢32カ月を上回る、32~34カ月(生後970~1000日)で出荷。うま味や風味がアップするといわれる、いわゆる「1000日和牛」を目標にしています。

「メス牛に限定される『雪降り和牛 尾花沢』は、メスだからこそ、ある程度肥育期間を長くしないとおいしい肉に仕上がりません。ゆっくりと時間をかけて育てることで初めて、食べておいしい、香りや甘みのある肉が作られるのです」と浅井代表は力を込めます。

金鶴が扱うブランド牛「尾花沢牛」と「雪降り和牛 尾花沢」

米沢牛、山形牛、そして尾花沢牛へ。

金鶴_米沢牛、山形牛、そして尾花沢牛へ。

山形県のブランド牛といえば、米沢牛や山形牛が有名です。近年、注目を集めている尾花沢牛は、後発ブランドのように思われるかもしれません。ところが、尾花沢牛は歴史が古く、米沢牛や山形牛と肩を並べる実力派です。

山形県尾花沢市は、明治時代から肉牛の飼育研究が盛んな場所です。昔から良質な仔牛の産地として全国的に知られ、有名ブランドの買付業者が訪れました。仔牛のみならず、尾花沢で育った牛たちの質も優れていて、長年、料理人や目利きの間で高く評価されてきました。

「残念ながら、尾花沢で育った上質な肉牛は、ふるさと尾花沢を名乗ることなく、長いこと米沢牛や山形牛として、東京へ出荷されてきました。今のように流通が発達していなかった頃、牛肉は東京の食肉市場まで、電車で運ばれていました。尾花沢牛も駅がある米沢で屠畜するため、米沢牛に。その後は、尾花沢により近い山形市場ができたため、山形で屠畜され山形牛に。屠畜場所により名前を変えてきたのが、尾花沢牛です」と浅井代表は話します。

流通が発達し、知名度が徐々に上がってきた現在、尾花沢牛は、ついに自らの名前で取引されるようになりました。人気の高まりとともに飼育頭数も増え、現在では約10,000頭もの尾花沢牛が、この地域で肥育されています。

魅力は、特別な香りとジューシーなうま味

金鶴_魅力は、特別な香りとジューシーなうま味

尾花沢牛のおいしさの秘密は、日本三雪(三大豪雪地帯)に数えられる気候風土と、この地域に住む人々の「妥協を許さない牛飼い気質」にあります。1年の3分の1が雪で覆われる尾花沢。そこで育つ牛たちは、奥羽山系から湧くミネラルたっぷりの雪解け水を飲んで育ちます。二度にわたる厳しい冬を越え、激しい寒暖差に耐えた牛の身体をまとうのは、極上の脂。美しい霜降りは、「芸術品」と称されるほどです。

焼いた時にジュ―ッという音とともに立ち上る香りも、尾花沢牛ならでは。浅井代表は、知り合いの和牛関係者との会合で各地の黒毛和牛を食べ比べした際、尾花沢牛の香りは別格だということに気付いたそうです。

「和牛特有の香りは一般的に“和牛香”と呼ばれていますが、尾花沢牛には、それとは異なる特別な香りがある、と実感しました」と浅井代表は話します。

口に入れた途端、独特のおいしい香りが一気に広がり、ジューシーな肉のうま味と甘みが押し寄せる!それが、尾花沢牛の魅力です。

「尾花沢牛」と「雪降り和牛 尾花沢」-2ブランドの違いは?

金鶴_「尾花沢牛」と「雪降り和牛 尾花沢」-2ブランドの違いは?

尾花沢牛専門店・金鶴が扱うブランド牛は、「尾花沢牛」と「雪降り和牛 尾花沢」の2種類です。「尾花沢牛」は、昔から尾花沢地域で育てられている3等級以上の黒毛和種。一方「雪降り和牛 尾花沢」は、同じく3等級ながらも、月齢32カ月以上という長い肥育期間と未経産のメス牛にこだわった高級黒毛和牛です。

一般的な黒毛和牛の出荷は月齢28~32カ月であるため、28カ月で出荷された肉牛に比べ、少なくとも4カ月以上長く肥育されることになります。また、子供を産んでいないメス牛に限定したのは、やわらかい肉質を追求したためです。

大手百貨店とのコラボで誕生した比較的新しいブランドながら、「格付けだけでなく肉の味を重視して選ぶ」目利きからの支持が熱く、人気ブランド牛の仲間入りを果たしています。金鶴は、そんな「雪降り和牛 尾花沢」の生産者認定第1号を取得。地域の先駆けとして、このブランドを世に送り出しました。

金鶴のイチオシ!

金鶴_金鶴のイチオシ!

浅井代表のおすすめは、「雪降り和牛 尾花沢」の肩ロース。霜降りと赤身のバランスが程よく、肉のうま味がしっかり味わえる部位で、「雪降り和牛 尾花沢」の魅力を余すことなく味わえる逸品です。

見た目も華やかで、贈答用としても大変人気があります。厚切りにカットされているので、寒い季節にはすき焼きなどの鍋料理、暑い季節には焼肉など、調理方法を問わずお楽しみいただけます。

手間をかけずに尾花沢牛を楽しみたいという方には、「尾花沢牛カレー」や「尾花沢牛ビーフシチュー」がおすすめ。「化学調味料、着色料、香料を一切使わず、いかに尾花沢牛の素材のおいしさを届けるか」にこだわった、浅井代表の自信作で、1年ほどかけて生み出しました。

金鶴_花沢牛カレー・尾花沢牛ビーフシチュー

ゴロっとした大きな塊肉に加え、ベースとなるスープにもミンチや牛脂などを使用。一般的な市販品の3~4倍以上の肉が贅沢に入っていて、尾花沢牛のうま味が閉じ込められています。牛肉・野菜・果実・赤ワイン・スパイスなど10種類以上の素材が奏でる本格派カレーを、ぜひお試しください。


今回ご紹介した企業

金鶴(有限会社アサイ)

金鶴_企業紹介

1974年に山形県尾花沢市で創業した尾花沢牛専門店。繁殖から販売までを一貫して行い、愛情たっぷりに育てた尾花沢牛の魅力を発信しています。「尾花沢牛」とワンランク上の「雪降り和牛 尾花沢」の2ブランドを取り扱い、オンライン通販のほか、自社の焼肉ハウス「金鶴」で提供しています。2018年には、尾花沢牛がメインに参加する第23回JAみちのく村山牛枝肉共進会でチャンピオン賞を受賞。地道においしい肉づくりに励む金鶴の絶品黒毛和牛を、どうぞご賞味ください。

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