サワードウブレッド復活の兆し。元「ヴァーネル」宮脇夫妻が見た、北欧オスロのパンの現在 Norway [Oslo]

工業化されたパン作りから伝統への回帰 2017年、オスロにオープンしたサワードウブレッド専門店「イレブロ(ille brød)」。ノルウェー語で“すげえパン”という意味を持つこの店の厨房に、真剣な目で生地をこねる日本人がいる。宮脇司さんとのぞみさん夫妻だ。2人は2023年3月にノルウェーに移住したばかりだ。生地のみずみずしい質感と酸味が特徴的なサワードウブレッドは、近年SNSを通して世界的なブームとなっている。司さんもサワードウブレッドの魅力に憑かれた1人だ。2017年、ワーキングホリデーで滞在していたオスロで3カ月間、イレブロで働いたことを機に、世界8カ国15軒のベーカリーで研修。帰国後、オスロのカフェ「フグレン」の日本店代表・小島賢治さんと共同で、東京・谷中にベーカリー「ヴァーネル」をオープンすると、国内外から客が訪れるサワードウブレッドの発信地になった。次第に「パン文化が根付いた国で、地域に根差したパン屋さんをもっと知りたい」という思いが強くなり、同店でベイカーとして働いていたのぞみさんと2人で、再びオスロに渡ることを決意した。ノルウェーでのサワードウブレッドは、「昔、家族の誰かが焼いていたけれど、私のおばあちゃんはもう焼いていない」というノスタルジックなパンだ。流行がゆっくりと広がる国なので、世界的ブームとなっていても、首都オスロでもイレブロが唯一ではないかと思うくらい、サワードウブレッド専門店は少ない。ノルウェーで最もポピュラーなのは、クナイプブロート(kneippbrød)と呼ばれるイーストで発酵させた全粒粉パン。「70年代、健康のため全粒粉を多く食べるよう政府が推奨し、以来多くの人が全粒粉パンを求めるようになったようです」と司さんは話す。「ドイツのパン屋さんが言っていましたが、パン作りの工業化が進んだ時代に、伝統的なパンの在り方は一度書き換えられてしまった。今では全粒粉パンと謳っていても、全粒粉の比率が低かったり、添加物で生地を無理やり繋げてフワフワに仕上げたパンも少なくありません」      サワードウブレッドの魅力は「素材」「土地」、そして「人」 そもそもサワードウ(サワー種)とは、粉と水を合わせたところに複数の微生物を培養して作る伝統的な発酵種。作る地域によって微生物の種類が変わり、さらに穫れる麦の種類や成分、気候が変わ
情報元サイト:「Web料理通信」
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