特産「ジャバラ」の新加工場 アレルギー抑制で注目、ふるさと納税を活用 和歌山・北山村

和歌山県北山村が同村七色に建設していた、特産かんきつ「ジャバラ」の果汁を搾って商品を製造するための新しい加工施設が完成。4日、竣工(しゅんこう)式があった。老朽化していた旧施設に代わるもので、衛生面を強化するとともに、これまでは外注していた商品も自前で製造可能になる。建設費用の一部には「ふるさと納税」を活用した。
ジャバラは北山村で発見されたかんきつで、アレルギー抑制効果がある物質が含まれていることで広く注目。村内では現在約8ヘクタールの畑で栽培されており、例年約100トンの果実を収穫。基本的に全ての果実は旧加工施設(北山村大沼)に運び込まれて果汁を搾り、自前で瓶入りの果汁やジュースといった商品を作ったり、外注する加工品の原料にしたりしてきた。
ただ、1988年にできた旧施設は老朽化。衛生面での機能を強化することや、以前は村が直営事業として取り組んでいたジャバラ事業を、2020年から村出資の株式会社「じゃばらいず北山」が引き継いだこともあり「製品の内製化や生産能力の向上による利益増大を目指したい」として、新たな加工施設を造ることになったという。
■事業の拡充期待
新加工施設は鉄骨造平屋で、2枚の樹脂板を回転させて果実を押しつぶす方式の搾汁機や風味を損なわずに短時間で処理できる熱殺菌装置などを備えた加工棟(床面積768・60平方メートル)と発送棟(225・16平方メートル)を整備した。
これまでは外注していたペットボトルや缶製品が施設内で製造できるようになり、ジャバラの風味をより高めた商品開発にも取り組む。じゃばらいず北山が運営し、10日に予定している初収穫から稼働する予定。
事業費は10億2631万7600円で、じゃばらいず北山が負担するプラント設備費(2億3936万円)を除いた費用7億8695万7600円のうち、45%ほどはふるさと納税を活用するという。村へは22年度、県内6位となる9億6663万3千円のふるさと納税が寄せられるなど、好調な状況が続いている。
じゃばらいず北山の池上輝幸・代表取締役社長は「最新の衛生設備を備えた念願の工場で、大きな企業とも取引ができるようになる。機能性だけでなく、おいしい商品づくりに力を入れたい」。山口賢二村長も「新規雇用につながることも期待しており、村の活性化の起爆剤になれば」と話している。
情報元サイト:「紀伊民報社」
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